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その6

 「・・・リーナ、武器庫に行ってみるか?」


 わたしが武器を使った騎士達の模擬戦をうつらうつらしながら見学していると、隊長にそう言われたので頷いた。


 『武器か〜。この手で扱えそうなもんとかあるのかな?』


 わたしが隊長と二人で武器庫とやらに行くと、武器庫の前には警備の兵士っぽい人達がいて、隊長に気が付くと一斉に敬礼した。


 「ご苦労」


 そして、わたしは兵士達に言葉を掛けた隊長と武器庫に入って、広い武器庫を見て回ったのだ。


 「・・・それが良いのか?」


 わたしがぐるっと見回った後に使えそうな武器を手に取ってみたら、隊長にそう聞かれたので大きく何度も頷いた。


 「そうか。では戻ろう」


 そして、わたしは投げる以外の戦い方が出来そうな事にワクワクしながら武器を持って隊長と訓練場に戻ったのだ。


 「あっ!戻ってきた!ん?鎖持ってる?」


 「リーナは何であんなもん引き摺ってるんだ?」


 「筋トレじゃね?」


 わたし達が訓練場に戻ると小休憩中だった騎士達は、わたしの持ってる武器を不思議そうに見て来た。


 「リーナ、武器を使った模擬戦に参加してみるか?」


 わたしは隊長の言葉に大きく頷いたのは言うまでもない。


 「リーナの相手はニックだ」


 「はいっ!」


 わたしは、え?ニック?と思ったけど、当のニックはさっきの事は忘れたのかな?と思う様な良い笑顔だったので、それならいいかと気にしない事にした。


 「なるほどね!リーナの小さな手でも女性騎士用の超小型サイズのモーニングスターなら何とか持てそうだよね!」


 わたしは笑顔のニックに大きく何度も頷いて、試しに女性騎士なら片手持ちだろう柄を両手持ちにして地面に向かって一振りしてみた。


 バゴーーーーンッ!


 「「「「「「「・・・」」」」」」」


 『え?』


 わたしは地面にぶつかった瞬間に、まあ、地面に穴ぐらいは開くだろうとは思ったけど、さすがに鎖の先に付いてる鉄球が木っ端微塵に粉砕するとは思わなかった。

 

 「・・・今度の討伐遠征はリーナの武器を作る為の素材集めをするとしよう。ヴァージル、その様に手配しろ」


 「はい、閣下」


 ヴァージルと呼ばれた副隊長が敬礼して訓練場から走り去ると、わたしはまた騎士達の模擬戦を見学する事になった。


 「・・・って言うか、何の素材なら耐えられるんだろうな?」


 「うーん、ミスリルでも無理そうだよなぁ」


 「えっ!?じゃあ、オリハルコンかっ!?」


 「うわぁ、またあのダンジョンに潜るのかよ〜」


 わたしは午前中の訓練が終わり、お昼ご飯を食べに食堂へ向かっていたら、第一班の騎士達はそんな会話をしていたので、この世界は本当にあるファンタジーな世界なんだなぁと改めて思った。


 『いただきます!』


 わたしは今日のお昼ご飯がカツカレーだったので、ジェスチャーで厨房の料理人に大盛りにしてもらうと、早速スプーンで食べ始めた。


 『うんまっ!カツカレー、うんまっ!お肉うんまっ!』


 わたしは取り敢えず故郷であるブルド王国でのベジタリアン生活とは全く違う、毎日の何かしらのお肉料理に感動しつつ、本当に来たのがこの国で良かったと思った。


 何故ならこの世界の食事情は、わたしからしたらちょっと変わっていて、西の獣人族の暮らすブルド王国は肉食動物のはずの獣人も肉食は一切しないぐらいのベジタリアンな国なのだ。


 それなのに筋力も体力も大陸では一番なのだから、わたしには本当に理解出来なかった。


 そして、南のエルフ族はめちゃくちゃ緑豊かな国なのに食べるのは海産物のみと言う、これまたわたしには理解不能な食事情だった。


 それなら東の魔族はと言うと、こちらは野菜も肉も魚も何でも食べるけど基本生食なので、わたしとしては毎日は遠慮したい食事情だったのだ。


 だから、前世日本人の記憶があるわたしとしては野菜カレーしか食べられないのかと諦めていたから、北の人間族の国は本当に天国だと思ってる。


 わたしは幸せを噛み締めながら大盛りのカツカレーを平らげると、お代わりを貰いにいそいそと厨房のカウンターへと向かった。


 そして、その日のデザートが乳脂肪分たっぷりのアイスクリームだったので、狂喜乱舞したのは言うまでもない。


 

 

 

 

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