その63
『・・・』
(((((((・・・)))))))
「「「「「「「「・・・」」」」」」」」
「・・・ホンマにお前等は可愛い奴等やな〜。俺様、楽しいてしゃあないわ〜」
「拙者もこの様な綺麗な方々見た事無いでごさるが、少々恥ずかしいでござるな」
「君達って本当に俺の事が好きなんだね。うん、大丈夫だよ。俺はずっと永遠に君達と一緒にいるよ」
「本当にあんた達ってあたし好みだわ〜。あら?あたしってそんなに綺麗かしら?うふふ・・・」
あれからわたし達はさすがにおかしいと思い皇太子に相談した所、皇太子は直ぐ様【禁足の塔】への討伐遠征を許可してくれ、隊長・副隊長・第一班・わたし・ハムちゃん達と皇太子と言う編成で【禁足の塔】の五階へと向かった。
ちなみに、第二皇子は皇太子の公務を押し付けら・・・引き受けて今回は不参加だった。
「・・・完全に取り込まれてるな」
「そうですね。膨大な魔力があるから、まだ生きてるものと思われます」
「まあ、あれほどの極上の美女達なら気持ちも分からなくもないけどねぇ」
わたし達は大きな入り口からこっそりと五階の異世界を覗いてるのだけど、青い空に白い雲が浮かぶ綺麗なお花畑で白龍は綺麗系の美女達に、白虎は癒し系の美女達に、白雀は可愛い系の美女達に、白亀に至ってはイケオジから美少年まで幅広く、わたしからしたら中身は真っ黒なキツネ達にチヤホヤされて魔力をガンガン吸われていたのだ。
「あっ!?リーナっ!?」
『あ』
わたしはさすがにこのままじゃ白龍達が死んじゃうんじゃないかと思った瞬間に、異世界に一歩飛び込んでしまっていた。
すると、どこからともなく中身は真っ黒なキツネだけど、笑顔のオスのタヌキ達がぞろぞろと集まり近寄って来た。
ドカッ!
『何するのよっ!?』
そして、近寄って来たと思ったら全員が笑顔から一瞬で真顔になり、わたしは安全地帯の方へと蹴り出され、いつの間にかタヌキ達は消えていたのだ。
「大丈夫!?リーナ!?」
「何でリーナは蹴り出されたんだ〜?って言うか、何でタヌキが来たんだ〜?」
「リーナはタヌキだし、魔力が無いから彼奴等に必要無かったんじゃね?」
「なるほどな!それじゃあ俺達が入ったらどんな美女が来るんだろな!」
「俺は俺と同じくらいの高身長の女性がいいなぁ!」
「僕はボンキュッボンな美女がいいねぇ」
「「・・・」」
(((((((・・・)))))))
『絶対全員ぶっ飛ばす!』
こうして、わたしの中ではわたしVS闇堕ちした真っ黒なキツネの聖獣達との戦いは確定したのだ。
「・・・なるほど。【彼奴等の中身は闇堕ちした真っ黒なキツネの聖獣】ですか」
「・・・キツネの聖獣と言えば天候の恩恵があるのだよな?」
「それを踏まえると竜巻きや豪雨や落雷を使った感じの攻撃かな?それと、ヴァージルの鑑定を弾くぐらいだから、まあまあ強いよねぇ。まあ、僕の敵じゃあないだろうけど」
わたしは白龍達がいないのでジェスチャーでは伝えられそうもないから、副隊長に紙とペンを貸して貰い彼奴等の正体を伝えたのだ。
「あのっ!闇堕ちしたキツネの聖獣を攻撃したら白龍様達はどう動くんでしょうか!?」
「あー、僕達を攻撃してくる可能性はあるよねぇ」
「闇堕ちした聖獣プラス聖獣四体相手はヤバいんじゃね?」
「それに白龍様達って最上位だもんな〜」
「白亀様はその上の最高位って言ってたような気がするぞ!?」
「さすがにヤバそうだよなぁ」
わたしはニック達と皇太子の会話にさもありなんと思って、再び異世界に飛び込むと近くに落ちてた石を拾って白龍目掛けて投げつけた。
ゴンッ!
「痛っ!?誰やお前っ!?ちゅーか、今、俺様に石ぶつけたよなっ!?しばくぞコラァッ!!!」
そう言うが早いか目が虚ろな白龍が物凄い竜巻きを作ってこちらにぶっ放したので、わたしは慌てて異世界から飛び出た。
ドガーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!
そして、わたしが出た瞬間に竜巻きが入り口にぶつかり、その衝撃で安全地帯の大気が震え衝撃波が襲って来た事により、わたしは反対の壁際まで吹っ飛ばされたのだ。
ベコッ!
『ブへッ!?』
「リーナっ!?大丈夫っ!?」
わたしは壁からめり込んだ体を自分で引き剥がすと、ちょっと痛かった鼻先を抑えてニックに大丈夫だと頷いた。
「・・・なるほどねぇ。彼等は【禁足の塔】からは出る事はないのだから、総騎士団長としての僕の考えはこのままにして帰るのが正解だと思うよ?」
わたしも万が一の事を考えたら皇太子の言うように、このままじゃ死んでしまうかも知れない白龍達を置いて帰り、ロゼルナイト辺境伯領で何事も無かったかのように普通に今迄通り騎士として暮らすのが一番なのは理解は出来る。
だけど、そんな事わたしは絶対にしたくないと思ったので、わたしは頭陀袋を下ろし、騎士服を脱いで畳むと隊長の方へと差し出したのだ。
「・・・リーナ」




