その60
グオォォォォォキュルルルルルルルッ!
グオォォォォォキュルルルルルルルッ!
グオォォォォォキュルルルルルルルッ!
わたしはお腹が減って鳴り響く自分の爆音にイラッとして来たので、漏尽通をオンにした。
『・・・嗚呼、空腹も何も感じない。これが無の境地なのね〜』
そして、相変わらず同時切断が出来ない状況の隊長達を見た。
『・・・そもそもよ?足が三十本あるのに同時切断とかあの人数では無理なんじゃない?あー、なるほど。コンマ1秒のズレも許してくれない訳じゃないんだ?それなら何とかなるのかな?って言うか、他にも弱点ないの?』
わたしは何故かいつもよりスッキリした思考で思いついた宿命通をオンにしてみた。
『・・・あー、あるね〜。これならどうにかなるような気がする〜』
わたしは部屋の中の皆んなを見たけどダメっぽいなと言うのを理解すると、ふとハムちゃん達を見てみた。
『あ、いけるかも知れない』
(((((((?)))))))
わたしは頭陀袋から釣竿を取り出すと針の先に予備で作っておいたピザ生地を引っ掛けた。
『ハムちゃん達、お腹空いたよね?あの人達に任せてたらいつ終わるか分からないから、わたし達で討伐してみる?』
(((((((はい!リーナ様!あたし達お腹ペコペコです!)))))))
そして、わたしはお腹がペコペコなハムちゃん達に作戦を伝えると、部屋の中の皆んなが一旦巨大ゲジゲジから離れた瞬間を狙って、ピザ生地をゲジゲジの弱点である眉間目掛けて投擲した。
ペタッ!
『撃って!』
ぷおーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!
ドガーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!
グギャーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
ゴロンッ!!!
『よしっ!討伐完了っ!ハムちゃん達、料理を温め直すよ!』
(((((((はい!リーナ様!)))))))
「「「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」」」
わたしは巨大ゲジゲジが光り輝く巨大魔石に変わったのを確認すると、頭陀袋に釣竿を入れスキルをオフにしてから、ハムちゃん達とキッチンに向かい料理を温め直したのだ。
「・・・リーナ!テリヤキチキンピザお代わりしていい!?」
「ピザもパスタも美味いけど、このアクアパッツァ絶品じゃね?」
「うんうん!カメ肉と錦魚だからかな!」
「俺はミートボールパスタがヤバいと思う〜!」
「イタリアンって、こんなに美味いもんだったんだなぁ!」
「・・・はあぁぁぁぁぁ、俺様達のあの時間は何やったんやろなぁ・・・」
「眉間の弱点は硬過ぎて通る武器が無いから無理だと思ってたけど、噂に聞いてたハムちゃん達の超音波攻撃ならいけちゃうわよね〜。すっかり忘れてたわ〜」
「然し乍ら、いつものハムスター達殿の超音波攻撃とは、ちと違う感じでござったぞ?」
「超音波も魔法と同じく強弱・速さ・範囲を変えられるもんなのよ〜。あたしも通常討伐に同行しとけば、気づいてもっと早く終わってたかもね〜」
「白亀は超低級魔獣とか興味無いって酒飲んで寝てたもんな!」
こうして、第八階層の全討伐は完全に終了し、わたし達は遅い晩ご飯を食べると皆んな速攻でベッドに入ったのだ。
次の日の朝、わたし達は朝ご飯を食べ終えると野営を撤収して第九階層へと向かった。
そして、わたし達が第九階層へ到着した時には、既にそれはいた。
『・・・』
(((((((・・・)))))))
「「「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」」」
「こいつらめっちゃ魔力無しに敏感やからな〜。リーナが来るん察知しよったんやろな〜」
「噂には聞いており申したが、まさかこれほどとは思ってなかったでござるよ!」
「確かこいつらって魔法攻撃も物理攻撃もきかないんだよな?どうやって討伐するんだ?」
「こいつらは常に飢えていて唯一の女王を探しているから眠らない魔獣なの。まあ、三大欲求って感じ?だから、それらのどれかを満たしてやれば勝手に昇天するわよ〜。ちなみにまあまあ美食家らしいわ〜」
「・・・では、我々に直接の害は無いと?」
「そうねぇ。自分より魔力が少ないのを瞬時に把握して襲うから、まあ、このメンバーならリーナしか襲われないわね〜」
『・・・』
わたしは大きな入り口から見える洞窟の様なだだっ広い空間をヨダレを垂らしながら彷徨く、前世の感じだと一つの体にハイエナっぽい顔が二つ付いた薄汚れて手足の骨や肋が浮き出てるのに腹だけ大きな四足歩行の魔獣に、遠い目になったのはしょうがないと思う。
「・・・とりあえず餌でもやるか」
『・・・』
(((((((・・・)))))))
こうして、わたしとハムちゃん達が美食家らしい神災級魔獣の餌を料理する事になったのだ。




