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その49

 わたしが男神を追って物凄いスピードで修復されつつある扉を何とか潜って門を出たら、そこは見渡す限りどこまでも色とりどりの花が咲き乱れているお花畑だった。


 『うわぁ!天国みたい!』


 「天国?それはどこの国なのだ?まあ良い。行くぞ」


 そう言えば神の住まう天空にあるのは天国じゃなくて神界だって王太子妃教育で習ったなと思い出し、わたしが笑って誤魔化すと男神様はそれ以上は興味が無さそうに歩き出した。


 『・・・ん?あれ何だろ?』


 わたしはお花畑の遠くの方に何かが空中に浮かんでいるのが見えたのだ。


 そして、男神は真っ直ぐにその何かが浮かんでいる場所まで歩き到着した。


 「おーい、起きてくれ!」


 「へ?あっ!これは男神様!お疲れ様です!あれ?そちらの方はどなたですか?」


 「うむ。そう言えば、お前の名前を聞いてなかったな。名は何と言う?」


 『わたしリーナです!』


 「そうか。リーナだ。世界の住人だがこの者には魔力が無くてな。しょうがないから我と歩いて世界に戻るかと思っておったらお前を見つけた。昼寝をしてる所悪いが、リーナを世界まで連れて行ってやってくれ」


 「そうでしたか!分かりました!失礼しますね!」


 そして、わたしは腰に布を巻いただけのムキムキマッチョな背中に羽の生えた若い男性に抱き上げられると、そのままぐんぐんと男神と共に上って行ったのだ。


 ちなみに歩いて帰ると一万年ぐらいかかるらしいと女神様の神使だと自己紹介と共に聞いたわたしが、心底昼寝をしていた彼に感謝したのは言うまでもない。


 ズボッ!


 『あ、帰って来れた!』


 わたしが出て来たのは、どうやらあのミョウガ採りをした山の山頂の近くらしく、辺りには一面月明かりにキラキラと輝く虹色のミョウガが生えていた。


 そして、神使にお礼を言って大量の珍味も渡し彼が笑顔で帰って行くと、わたしはミョウガ採りをする事を男神に言う事にした。


 『男神様!世界に帰して頂きありがとうございました!わたしはミョウガ採りをしたら帰りますので、それでは失礼します!』


 「うむ。それなら我が神の力で採ってやろう。どうせ一緒に行くのだからその方が早い」


 『・・・それは魔力を使う感じですか?』


 「そうだな。それがどうかしたか?」


 『あー、なるほど・・・』


 そして、やっぱり付いて来るのか〜、まあ、ハムちゃん達とは友達らしいしな〜と思ったわたしと、魔力を極力使ったらダメと聞き直ぐに調整した男神が、せっせとミョウガ採りを頑張り全採集を終えた頃には夜が明けていたのだ。


 『ただいま〜!』


 わたしが男神の空飛ぶ絨毯に乗って、演習場に整列していた隊長達や聖獣達の所に降りたら、皆んなびっくり顔で固まった。


 (((((((リーナ様、お帰りなさい!男神様!お久しぶりです!)))))))


 こうして、一番に我に返ったハムちゃん達にわたし達は笑顔を向けたのだ。


 「・・・ちゅー事みたいやで〜」


 わたしが男神と出会った地獄でのあれこれを聖獣達に説明した所、隊長達にも伝えて貰った。


 「・・・・・・・・・なるほど。それで、男神様はここにお住まいになると言う事ですか?」


 「うむ。世界には我の知らぬレシピが多々あるようだ。神と言うものは一生修行しなければならないものであるから、これも我の修行の一つだな」


 「かしこまりました。ロゼルナイト辺境伯領は男神様を歓迎致します」


 「うむ」


 そして、結成されていたらしいわたしの捜索隊は解散し、ニック達により演習場の片隅に超高級野営セット男神バージョンが設置された。


 「・・・何か階数が増えてないかしら?」


 「確実に増えとるな〜」


 「我の寝る場所だ。ハムスター達の寝床も作ってあるぞ?」


 (((((((えっ!?本当ですかっ!?)))))))


 「うむ。本当だ。お前達がダイエットを頑張った褒美だ。見てみるが良い」


 (((((((・・・)))))))


 わたしはオロオロしてこちらを見て来たハムちゃん達に口元に指でバツを作り、ニコニコしながら三階建てとなった建物に入って行った男神の後に続いた。


 「うわぁ!凄いっ!雲の上みたいだねっ!」


 三階に上がった先は巨大な空間になっていて、辺り一面には雲っぽい真っ白なモコモコが敷き詰められている感じだったので、ニックの言葉に皆んな頷いていた。


 「うむ。正しく雲だな。ハムスター達よ、これからここで暮らすが良い」


 (((((((ありがとうございます!男神様!)))))))


 ハムちゃん達はそう言うや否や次々と雲に飛び込むとキャーキャー言いながら、楽しそうに雲の中を掘っていた。


 そして、それを見たわたし達や第一班も聖獣達も隊長達も、皆んな同じく飛び込んでしまったのは許して欲しい。


 『・・・あ〜!楽しかった〜!』


 「リーナ!今から男神の歓迎会しようや!」


 『うん!歓迎会しよう!』


 こうして、その日はわたしが知ってる前世のあらゆるお酒と闇堕ちした聖獣のお肉を使った焼き肉で、男神の歓迎会をする事になったのだ。

 


 




 


 





 


 

 



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