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その40

 グオォォォォォキュルルルルルルルッ!


 わたしは次の日の朝、いつも通りに自分のお腹が鳴る音で目が覚めると身支度を整えてから隣りの白虎の部屋に行き、一応ノックしてから入って白虎を起こしキッチンへと下りた。


 『今日の朝ご飯は何作ろうかな〜・・・カレーでいいか』


 わたしは面倒臭いのでカレーにする事にして、早速準備に取り掛かった。


 『お肉何にしよ?やっぱりタヌキかな?』


 そして、タヌキ肉のカレーが出来上がる頃に皆んなは起きて来た。


 「・・・このカレー本当に美味いよね!昨日のローストペンギンもヤバいくらい美味かったよね!」


 「昨日のローストビーフが、実は闇堕ちしたペンギンの聖獣だったんだし、やっぱりこれも聖獣なんじゃね?」


 「リーナ、このカレーに入ってる肉も闇堕ちした聖獣なのか?」


 「リーナは帝都に行った時に、皇帝から食材をたんまり貰っとるで〜」


 「なるほどなぁ。皇帝陛下から下賜された食材なら間違いなく超高級食材だろうしなぁ。美味いのも納得だなぁ」


 「ま〜、美味いもん食えたら何でもいいけどな〜!」


 「でも、タヌキは闇堕ちしてても食べるのは俺はちょっと無理かも!だって、タヌキの聖獣ってリーナみたいな可愛い小動物だよ?」


 『・・・』


 わたしとしては美味しいなら何でも良いのでタヌキ肉の事を言おうかと思ったけど、ニックの中での可愛い小動物のわたしのイメージが共食いで壊れそうだし、たぶん、この世界でも可愛いは正義なので言うのは止めておく事にした。


 そして、カレーを食べ終えたわたし達は【禁足の塔】の五階へと向かったのだ。

 

 『・・・』


 「あれって、タヌキなんじゃね?」


 「だよな〜。どう見てもタヌキだよな〜」


 「火を吹く真っ黒なタヌキかぁ」


 「って言うか、マジデカいよな!」


 「あれも美味しいのかな!?」


 『え?』


 わたしは目の前の見渡す限りの大平原に、火を吹きながらのっしのっしと歩く真っ黒なバカでかいタヌキを見たニックの言葉にびっくりした。


 「おい、ニック。お前、タヌキは食うの無理言うてなかったか?可愛い小動物なんやろ?」


 「うん!小動物のタヌキは無理だけど、あいつら小動物じゃないしね!」


 「そんなら、お前とリーナの目の前にあいつらの肉しか食うもんなかったら食うんか?」


 「え?食べるよ?リーナも食べるよね?」


 『・・・』


 わたしは白龍の問い掛けに心底不思議そうにした顔をこちらに向けたニックを見て、今日の晩ご飯はタヌキ肉だと言って焼き肉にする事に決めた。


 こうして、闇堕ちしたタヌキの聖獣の二度目の全討伐は開始されたのだ。

 

 『白虎っ!お願いっ!』


 「任せるでござるっ!」


 ザッパーンッ!


 わたしは頭上から落ちて来た水を被りブルブルッと体を揺すって水を飛ばすと、火を吹きながらのっしのっしと向かって来た真っ黒なタヌキの背後に素早く回り、尻尾を掴んで地面に叩き付けて討伐した。


 『・・・この前より多いからキリないよね〜』


 わたしが辺りを見渡すと、隊長以下魔法騎士達は魔法で火を防ぎながら剣で討伐し、皇太子は火魔法を使おうとして白龍から炭化するからアカンと言われて上機嫌でこの前と同じ様に氷漬けにし、白龍は相変わらず竜巻きでバラバラにしていた。


 そして、火魔法しか使わないらしい白雀も炭化するからアカンと白龍に言われたので、燃やすのでは無く焼き切ると言った感じで討伐し、白虎は物凄い大量の水をタヌキ達の上に叩き付けて討伐する合間に、わたしが燃えないように定期的に水を掛けてくれていた。


 グギャーーーーーーーーッ!!!


 『・・・第二皇子、えげつないな〜』


 第二皇子のスキルは【工作】と言うもので、材料と知識さえあれば何でも一瞬で作れるらしく、今この瞬間大平原の地面から突き出た鋭い土杭に串刺しにされたタヌキを見てそう思ったのはしょうがないと思う。


 「・・・昼飯は携帯食料かい?カレーの残りってあったよね?」


 こうして、闇堕ちしたタヌキの聖獣の二度目の全討伐はお昼過ぎに終わり、皇太子のリクエストで朝に引き続きお昼ご飯も実はタヌキ肉のカレーだと伝えた所、皆んなで美味しく食べてから、わたし達は次の階へと向かったのだ。


 【禁足の塔】の六階は目の前がジャングルだった。


 『・・・ジャングルと言えばターザン?』


 「何やそれ?ここの闇堕ちした聖獣はカメやで?」


 『カメか〜。食べるとこ少なそう』


 「何でも食おうとすなっ!ちゅーか、めっちゃ静かやな〜。あいつら結構煩いやつらなんやけどな?」


 ギャオーーーーーーーーンッ!!!


 ギャオーーーーーーーーンッ!!!


 ギャオーーーーーーーーンッ!!!


 その時、白龍が言うように辺りの空気を震わせる程の咆哮を上げながら、闇堕ちした真っ黒で巨大なカメの聖獣は驚くべきスピードでジャングルの草木の間から走り出して来た。

  

 『・・・マジでうるさ。って言うか、カメなのにノロマじゃないんだ?』

 

 ギャオーーーーーーーーンッ!!!


 ギャオーーーーーーーーンッ!!!


 ギャオーーーーーーーーンッ!!!


 『・・・そして、カメなのに飛べるんだね〜』


 「せやで〜。あいつらの討伐はお前らには無理やさかい、俺様達でしたるわ」


 こうして、凄まじいスピード走行とスピード飛行を使った、何だろうと粉砕するらしいボディアタック攻撃をしてくる闇堕ちした真っ黒な巨大なカメの聖獣の最上位聖獣達による全討伐が開始されたのだ。

 


 


 

 



 

 

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