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その28

 『・・・お代わりしなくて良かった〜』


 わたしは目の前にズラリと並んでいる晩ご飯を見て、ケーキのお代わりを止めてくれた侍女達に心の底から感謝した。


 「リーナは何でも食べられるのかしら?遠慮なくお上がりなさいね?」


 わたしは上座に座る笑顔の皇后陛下に大きく頷くと、早速目の前の握り寿司を一つ摘んだ。


 『うんまっ!?お寿司うんまっ!』


 「おう!これは美味いな〜!リーナ!この食いもんに合う酒出してや!」


 わたしはテーブルの上に座ってお寿司を食べている手乗りサイズの白龍の言葉に大きく頷くと、わたしの隣りの椅子に置いてある樽に手を当てた。


 「おっ!?めっちゃええ感じやないかいっ!アカン、今日も飲み過ぎてまうわ〜」


 わたしが願ったお酒はお寿司にめちゃくちゃ合う感じの純米大吟醸だったので、わたしも白龍もグイグイと飲んでいたら、近くに座っていた隊長と副隊長もちゃっかり飲んでいた。


 そして、結局、皇帝陛下達も飲み始めたので、そのまま大宴会に突入したのは言うまでもない。


 『・・・さすがに、もうご飯は入らないな〜』


 わたしはお寿司や天ぷらと言った和食中心の晩ご飯に大満足で満腹になったけど、純米大吟醸からの酎ハイ祭りに移行したので、頭陀袋から柿の種等のおつまみになる珍味をテーブルに出した。


 「リーナ!柿の種くれっ!うんうん!このピリ辛が堪らんねんっ!」


 そして、その他の珍味も皇帝陛下達は気に入ったらしく出したそばから無くなったのは言うまでもない。


 「・・・ねぇ、リーナ。わたくしもう少し甘いお酒も飲みたいのだけど?」


 わたしはほんのり赤い顔をした皇后陛下に大きく頷き、樽に手を当てて王道のカシスオレンジを出してあげると、その甘い香りに皇后陛下はにっこり笑顔で一口飲んでから一気に飲み干した。


 そして、その後はわたしの前世の記憶にある限りのカクテル祭りになったのも言うまでもない。


 『・・・さすがにチャンポンしまくったから・・・頭が・・・痛くないんだね〜』


 わたしは頑丈な獣人で良かったと心底思いながらゆっくり目を開けたら、豪華絢爛な全く記憶に無い天井が見えたので起き上がると、そこはめちゃくちゃ大きなベッドで足元にはちょっと白目の白龍が死んだ様に眠っていた。


 『・・・いつ寝たんだろ?って言うか、ここどこ?』


 わたしは入った記憶も全く無い薄暗い部屋の豪華絢爛な分厚いカーテンの隙間から入る光りの加減で、絶対お昼にはなってるなと思いながらベッドから下りた。


 『うわぁ!フカフカだ〜!』


 わたしは足がほぼほぼ沈む程の毛足の長い絨毯を歩くと、目一杯背伸びして大きな扉をそっと開けてみた。


 「お目覚めですか?」


 わたしは扉の外に誰かいるのは分かっていたので、笑顔の侍女達に大きく頷いた。


 「失礼しますね」


 そして、わたしは侍女達の一人に抱きかかえられると部屋に戻り丁寧に身支度を整えて貰った。


 グオォォォォォキュルルルルルルルッ!


 「今の時間でしたら食堂はビュッフェ形式となっておりますので、お部屋までお食事をお持ちして宜しいでしょうか?」


 わたしはそれなら食堂に行くのにと思い首を傾げてみたら、侍女達曰く、食堂でのビュッフェ形式の料理は種類は豊富だけど軽食中心らしく、ちゃんとしたコース料理も用意出来るとの事だった。


 『軽食食べてみたいな〜。白龍は・・・』


 わたしはベッドに行き白龍の様子を伺うと、未だ白目で死んだ様に眠っているのでそっとしておく事にして、食堂へ行きたいとジェスチャーで伝えた。


 「かしこまりました。失礼致します」


 そして、めちゃくちゃ察しの良い侍女達だな〜と思いながら、何故か抱きかかえられたわたしは食堂へと向かったのだ。


 『・・・うわぁ!本当にいっぱいある〜!』


 わたしがめちゃくちゃ大きな食堂へ入ると、そこにはズラリと料理が並べられたテーブルがいっぱいあった。


 そして、わたしは大勢の騎士や文官や使用人達に混じってアレもコレもと侍女達に料理を取って貰い、空いてるテーブルに座ったのだけど、何故か侍女の膝の上だった。


 「何から召し上がられますか?」


 『えっと・・・まあ、いいか!』


 わたしはどうやら食べさせてくれるらしい侍女達にちょっとびっくりしたけど、楽だしなと思い、分厚いカツサンドを指差した。


 『うんまっ!?このカツサンド、めちゃくちゃうんまっ!』


 わたしはロゼルナイト辺境伯城でもカツサンドを食べていたけど、全くレベルが違う美味しさにびっくりした。


 『なるほど〜。これは帝都の食材の方が美味しいって事よね?よしっ!買い出しは帝都でして帰ろう!』


 わたしはそう心に決めて、後で副隊長に経費を貰いに行く事にして、侍女の膝の上でビュッフェを堪能したのだ。



 


 

 


 

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