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その18

 「・・・そうか。リーナの持ってる食材は米以外は尽きたのか」


 わたしはダンジョンに潜って三日目の夜ご飯で、大量に購入してあった食材がお米以外全部無くなってしまったので、明日からご飯を作れないと隊長に報告したのだ。


 「無くなったのなら仕方ないですね。閣下、明日の朝、帰還しましょう」


 「そうだな」


 「「「「「はっ!」」」」」  

 

 『え?』


 わたしは携帯食料はまだ大量にあるだろうにそれで良いのかとちょっとどころじゃなく思ったけど、隊長達は何事も無かったかのように、頭陀袋に残っていた僅かな食材で作った、副隊長のペットの聖獣のカエルの卵がめちゃくちゃ良い仕事をしてくれている今日の晩ご飯の天津チャーハンを再び食べ始めた。


 「リーナ!この天津チャーハンめっちゃ美味しいね!あっ、お代わりはしていいの?」


 『・・・』


 今日全討伐した第三層も床下に魔獣がいて、隊長に投擲のリベンジをお願いされたけど全力で拒否した所、ニックがワクワクした笑顔で申し出て来たので、まあ、ニックならと思い了承したら、わたしは魔獣に食べられた。


 そして、わたしは土下座でニックに謝罪されたけど食べたら溶かす系のスライムっぽい魔獣だったので、皮膚までは溶けなかったけど、騎士服と下着は勿論毛も綺麗さっぱり溶け、今現在全裸で丸ハゲ状態だ。


 そんなわたしは、お代わりがしたいらしい笑顔のニックに小さく頷いた。


 こうして、どこまでも延々と続くらしいダンジョン【暗闇の深淵】の第三層を全討伐したわたし達は、次の日に城へ帰還したのだ。


 お昼前に帰還すると直ぐに副隊長がお針子達を手配してくれたので、丸刈りよりもさらに華奢になったわたしに同情いっぱいのお針子達が夕方には新しい騎士服と大量の可愛い服を届けてくれた。


 ちなみに、騎士服はサイズがある程度自動調整される魔法が付与されているので、また毛は生えるだろうと前回と同じサイズだけど追加で裾にフリルがあしらわれた新しい騎士服を着てみた所、めちゃくちゃほっそりとしたか弱そうな前回よりもさらに小動物的な感じになったので、これはこれでアリだなと思った。


 『うーん・・・今度もあのダンジョンなんだよね?食材買いに行きたいけど、お金がな〜・・・』


 わたしは三日しかダンジョンに潜ってないのに次の日の今日から三日間の休暇を貰ったのだけど、再来週には、また【暗闇の深淵】に潜る事になっている。


 だから、食材の補充をしたいけど、超高級野営セットと前回の食材を購入したわたしのお財布カードの残高は限りなくゼロなっていたので、新たに食材を購入する為のお金が無いのだ。


 『・・・あっ!そうだ!』

 

 わたしは閃いたので、朝ご飯をお腹いっぱい食べ終えると隊長の執務室に突撃した。


 「・・・食材を購入する経費ですか?」


 わたしは執務室で眉間に皺を寄せて書類を見ていた副隊長に、経費のジェスチャーが思いつかなかったので、面倒臭いけどペンと紙を貰い【食材を購入する経費を下さい】と書いて見せたのだ。


 わたしが大きく頷くと、副隊長は一瞬眉間に皺を寄せてから了承してくれた。


 『わ~い!これだけあったらいっぱい買える〜!』


 わたしは副隊長からお財布カードにお金を補充して貰うと、早速新しいワンピースに着替えて頭陀袋を背負い領都の市場へ向かった。


 「妖精さん、お使いかい?」


 わたしが前回と同じお肉屋さんに行くと、前回と違いほっそりとしているので気づいてないみたいだったけど、何故か心配顔でこの前より大量にオマケして貰えた。


 そして、同じ八百屋さんでも気づかれなかったけど、ここでも心配顔でこの前よりも大量にオマケして貰ったのだ。


 わたしはか弱そうな小動物には全世界共通で皆んな優しいんだな〜と思いながら、あちこち見て回り貰った経費を全て使い切ると城に戻る事にした。


 『・・・本当、この世界って食料品がめっちゃ安いから良いよね〜』


 わたしは前回の買い物でも思ったのだけど、この世界は本当に食料品が激安なのだ。


 だけど、超高級野営セットは、前世でわたしが暮らしていた地方都市の郊外の建売住宅一軒分ぐらいの値段はしたので、そう言うものでバランスを取ってるのかもしれない。


 『まあ、普通のタヌキのわたしからちゃんと魔石を買い取りしてくれたし、たぶんお高い魔法具の釣り竿も作ってくれたし、今回も十万ガルドの経費もくれたし、副隊長も何気に良い人だよね~』


 わたしは本当にここに来て良かったと思いながら、次の週はせっせとハエ叩きを振った。


 そして、わたしは再び【暗闇の深淵】へ、前回と同じメンバーで挑んだのだ。


 


 


 


 

 

 

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