表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/25

ジークフリードSide〜その5

 俺達がダンジョン【暗闇の深淵】に到着したのは昼前だった。


 今回はダンジョンの部屋の中での野営が困難な階層があるので、狭い安全地帯でも十分に体を休めて、尚且ついるかも知れない高額魔獣の討伐の為、俺・ヴァージル・第一班、そして、高額魔獣討伐に必要不可欠なリーナと言う編成となった。


 そして、俺はダンジョンの大きな入り口で部屋の中を見ているリーナを横目に、今からの予定をヴァージル達に伝える事にした。


 「それでは、この安全地帯での昼食後に討伐を開始す」


 ・・・は?


 俺としては、ダンジョンは部屋の中に入りさえしなければ魔獣が襲って来ないのはリーナも知ってるので、まさかリーナが無防備に、それこそピョンっと言った軽い感じで中に飛び込むとは思わなかったのだ。


 ・・・マジかっ!?


 そして、飛び込んだリーナが着地する前に床下から飛び出して来た超高額魔獣であるダイヤフィッシュに丸飲みされて、そのまま俺の遥か頭上まで飛んで行ったので、さすがにびっくりしたままちょっと固まった。


 そして、たぶん隣りにいるヴァージルも同じく超高額魔獣であるダイヤフィッシュを見て固まってると思う。


 すると、リーナは直ぐにダイヤフィッシュの物凄く固いはずの腹をぶち破って飛び出して来た。


 ベチャッ!


 ゴンッ!


 「「「「「「「・・・」」」」」」」


 ダイヤフィッシュの腹から飛び出したリーナはそのまま落下して来たと思ったら、まさかのうつ伏せで着地した。


 そんな残念なリーナの後頭部にダイヤフィッシュの大きな魔石が激突した後、元気に起き上がり鼻先を押さえた涙目のリーナは、ホクホク顔のヴァージルに丸洗いされた。


 そして、昼食後、俺はリーナから釣り竿を受け取ったヴァージルに迎撃準備を指示する様に言われたけど、まあ、何か考えがあるのだろうと、幼馴染みだけど未だに理解しきれてない様な気がするヴァージルの好きにさせる事にした。


 ・・・マジか


 俺は釣り竿の針に引っ掛けられて頭上を越えて飛んで行ったリーナを見て、小動物には一応優しいはずのヴァージルにしてはえげつないなと思った。

 

 そして、ダイヤフィッシュに食われて戻って来るであろうリーナにちょっと同情した。


 ・・・まあ、食われたぐらいじゃ死なないだろうしなぁ


 すると、当然リーナが落下していく場所の近くにいたダイヤフィッシュ達がリーナ目掛けて床下から飛び出したのだが、リーナは食われる寸前にこちらに引き戻された。


 そして、リーナは食われる事無くダイヤフィッシュの群れを入り口まで連れて戻って来たのだ。


 その後、ヴァージルの投擲により何故か物凄く楽しそうなリーナで釣ったダイヤフィッシュを全討伐し終える頃には、ちょっと俺もしてみたくなったのは言うまでもない。


 全討伐後に安全地帯での野営を宣言して寛いでいた俺の視界には、今現在巨大なテントがある。


 そのテントはリーナの私物らしく、カバンからいそいそと取り出すとニックに設置して貰ったものだ。


 ・・・まあ、一応令嬢なんだろうしなぁ


 俺は本来なら一人だけ別行動の規律違反とも取れるとは言え、やっぱり床に雑魚寝は令嬢的には耐えられないのだろうと思った。


 そして、ヴァージルも若干遠い目をしてるが、何も言わないつもりらしいので、俺も何も言わずにいる事にした。


 グオォォォォォキュルルルルルルルッ!


 俺は肘掛け椅子でいびきをかいて寝ていたはずのリーナを見ると、どうやら目が覚めたらしかった。


 グオォォォォォキュルルルルルルルッ!


 リーナの腹が鳴っているのは確実なので携帯食料でも食べるのかと思っていたら、リーナは唖然とする俺達を尻目に一人焼き肉を始めた。


 俺はその肉の焼ける香ばしい匂いと米の良い香りに思わずソワソワしてしまっていたら、リーナはニックにお裾分けし、何故かヴァージルにも同じ様にお裾分けしたのだ。


 そして、カイルが自分のベルトポーチからイカとホタテを出して参加すると、ヴァージル達もそれぞれ食材を出して参加したので、俺も慌ててベルトポーチの中にあったトウモロコシを出して参加した。


 その後、リーナのテントが十人用だったので、俺達も寝る事になったのだが、さすがにどうなんだろうと思いながら寝たベッドは物凄く快適で爆睡してしまった。


 次の日もリーナの作った朝食を食べた俺は、今日も釣り形式で討伐する事になっていたので、ヴァージルに投擲の役目を代わり出た。


 ・・・これは楽しいなっ!


 「よしっ!釣れたっ!」


 「閣下、普通に釣り上げてどうするのです」


 「あ・・・」


 どうやら俺は、投擲した瞬間に仕事だと言う事を忘れてしまったらしい。


 そして、今迄生きてきた十八年間で一番慌てたのは言うまでもない。


 俺が全速力でリーナを引き戻して頭を下げて謝罪すると、不承不承と言った感じだったけど何とか許して貰えた。


 ・・・え?これは・・・まだ怒ってる?


 俺はその日もリーナが作ってくれた夕食の野菜ハンバーグを見てそう思ったのは、大きさは皆んなと同じだけど、明らかに俺の野菜ハンバーグだけ肉より野菜が多かったからだ。

 

 ・・・まあ、しょうがないか。この先まだ長いんだ。今度のハンバーグは普通だと良いなぁ


 俺がそんな事を思っていたら、次の日の夕食の天津チャーハンを食べていた時、リーナからのまさかの食材切れの報告をされたのだ。


 そして、ヴァージルの帰還要請に、俺が瞬時に許可したのは言うまでもない。


 


 




 




 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ