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その12

 わたしは領都の屋台に大満足すると、今度はウィンドウショッピングをする事にした。


 わたしとしても前世を考えなければ年頃の女の子なので、可愛いアクセサリーや雑貨や美容にも興味はあるのだけど、如何せんタヌキで騎士なのでアクセサリーや雑貨は使い道がなかった。

 

 そして、美容も毛艶を良くするものしか必要ないけど、その毛艶も今の所特に問題は無い。


 『・・・魔法具は魔力が無いと使えないらしいしなぁ・・・うーん・・・欲しいものが無い・・・』


 そして、わたしは服にも全く困って無いので、ズラリとお店が並んだまあまあお洒落な商店街をただただブラブラと歩き続けた。

 

 『ん?あれって・・・』


 わたしがお洒落な商店街を抜けた途端に一気に賑やかな繁華街の様相になった通りを歩いてると、異世界あるあるの冒険者ギルドを見つけたので立ち寄ったのは言うまでもない。


 わたしが扉が明け放たれた大きな入り口を入ると、如何にも冒険者ギルドと言った感じだった。


 『うーん・・・むさ苦しいし、ちょっとどころじゃなくボロい?』


 わたしは悪臭はしないけどむさ苦しく寂れた雰囲気にちょっとだけ眉を顰めた。


 「おっ!もしかしてフリーの妖精か?どうだ?俺達と契約しないか?」


 わたしは近くの如何にも冒険者と言った感じの集団の一人の男性に声を掛けられたので、腕でバツをした。


 「えっ!?嫌なのかよっ!」


 「おいおい!普通に服着てるんだから契約済みで、ただのお使いかも知れないだろが!」


 わたしは断った瞬間に睨みつけて来た男性に睨み返そうとしたら、集団にいた他の男性がそう言ったので、妖精では無いけど大きく頷いておいた。


 「そ、そうかっ!怒鳴って悪かったなっ!フリーになったら宜しくなっ!」


 まあ、わたしがフリーの妖精だったとしても、絶対にこいつとは契約しないけど小さく頷いておいた。


 そして、わたしはちょっと寂れた感じの冒険者ギルドの中を見て回る事にしたのだ。


 冒険者ギルドの中は、まんま異世界あるあるな感じだったので、特に興味も無いから流し見してから冒険者用品コーナーへと向かった。


 『うわぁ!テントだ!』


 わたしは冒険者用品コーナーの一角に、テント等が野営のシチュエーションを想定して展示されてるのを見つけたので思わず駆け寄った。


 『野営って言ったら絶対にこんな感じだよね~!』


 わたしは先日のダンジョンではまさかの石床で雑魚寝だったので、初めて見る異世界のテントを触ってみたりコンロを手に取って確かめてみた。


 『うわぁ!何か良い!めちゃくちゃ良い!これ欲しい!』


 「おや?妖精さん、お使いかい?」


 わたしは声を掛けられたので振り向くと、そこには優しそうな笑顔のおじさんがいたので、取り敢えず頷いておいた。


 「そうかい。私は冒険者用品コーナーの責任者のギルド職員なんだが、買い物リストのメモは持ってるかい?」


 わたしが首を横に振るとギルド職員のおじさんは、それなら買う物を指差してごらんと言ってくれたので、わたしは展示されてる一角を指差した。


 「なるほど。野営グッズ一式を買って来る様に言われたのかな?」


 そして、わたしが大きく頷くと、おじさんはわたしを促して場所を移動し、異なる値段の野営グッズ一式が置いてある棚に案内してくれた。


 「予算もあるだろう?買えそうな物はあるかい?」


 『どれにしようかな~・・・ん?』


 わたしはどの値段の物でも買えるぐらいのお金はあるので一番高いのを買おうと思って最高級の埃を被った野営セットを良く見たら、どうやら魔力が無いと設置出来ない様な感じだった。


 『えーっ!?マジでっ!?そんなっ!?わたし魔力無いのにっ・・・あっ!何とかなるかも知れない!』


 わたしは一瞬愕然としたけど速攻で立ち直り、直ぐに一番高い最高級ランクの野営グッズ一式等を爆買いした。


 ちなみに、妖精・精霊・聖獣は個体によるけど魔力も豊富だし言語をある程度理解するし、契約者とは念話でより意思の疎通も出来るのだと言う事を、ただの獸体と違い物凄く役に立つのだと付け足されて貴族学園の教師には教えて貰った。


 そして、わたしはホクホク顔のギルド職員に見送られ、スキップしながら意気揚々と城に戻ったのだ。


 『これで快適な野営が出来るよね〜!』


 



 

 

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