表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/25

その11

 グオォォォォォキュルルルルルルルルルッ!


 わたしは何かの爆音で目が覚めてベッドから飛び起きた。


 グオォォォォォキュルルルルルルルルルッ!


 『・・・』


 そして、その爆音が自分のお腹から聞こえる腹の虫なのだと理解すると、朝ご飯を食べに食堂へと向かった。


 「おはよう!リー、えっ!?もう毛が生え揃ってる!?」

 

 「凄いな〜!やっぱり亜種だからかな?」


 わたしはニック達の言葉に自分の昨日まではかなり余裕があってふんわりとしていたのに、今はパッツパツのワンピースから出てる尻尾を見てみると、そこには金色のモフモフな尻尾があったのだ。


 『へえ、獣人って丸刈りになっても直ぐに毛が生えて来るんだね?』


 グオォォォォォキュルルルルルルルルッ!


 「何だ!?今の音は!?」


 「リーナの方から聞こえたから、リーナの腹の虫じゃね?」


 「そう言えば、昨日は食堂で一度も見なかったよな?リーナ、睡眠も大事だけど飯も大事だぞ?」


 わたしはカイルの言葉に大きく頷くと、目の前の山盛りの朝ご飯を食べ始めた。


 そして、デザートまで平らげて満腹になったのだけど何か物足りなかったので、わたしはいつもならこの後は食後のお茶を飲んでお終いなのだけど、椅子を下りると注文カウンターへと向かった。


 「もしかして、まだ食べるのか?」


 わたしが注文を終えて席に戻るとテッドにそう聞かれたので大きく頷いた。


 そして、少しすると魔石が入った餌皿が三つ運ばれて来たのだ。

 

 「「「「「え?」」」」」


 わたしはびっくり顔の五人を尻目に、昨日とは違い餌皿に顔を突っ込まずに、スプーンで品良く餌皿の魔石を口に運び始めた。


 ガリガリガリガリガリガリガリガリガリ・・・


 「「「「「・・・」」」」」


 『今日も、うんまっ!討伐する前はあんなに臭いのにね〜!』

 

 そして、わたしは魔石を食べて食後のお茶を飲んでから、唖然とするニック達にペコリと挨拶してから食堂を出たのだ。


 『今日は何しようかな〜』


 わたしは昨日たっぷりと恋愛小説を読んだし、考えてみたらこの国の歴史とか特に興味は無いし、魔法もわたしには無縁のものなので今日は図書室に行く気にはならなかった。


 『・・・そうだ!領都にお買い物に行こう!』


 わたしはまだロゼルナイト辺境伯領の領都には行ってなかった事に思い至り、お金もあるし買い物に行く事にしたのだ。


 わたしは自室に戻って頭陀袋を背負い部屋から出ると、領都に続く城の玄関である表大門へと向かった。


 「ん?金色の騎士さんじゃないか!出掛けるのかい?」


 わたしは門番の兵士達の一人から声を掛けられたので大きく頷いた。

 

 「そうか!気をつけてな!」


 わたしは自分が金色の騎士と呼ばれてる事に、ちょっとカッコいいなと思いながらペコリとお辞儀をしてから道を下り始めた。


 ここロゼルナイト辺境伯城は小高い丘の上に建てられているので、まあまあ大きな領都も各町村も良く見えるから、先ず迷子になる事はないのだ。


 そして、わたしは小一時間ほど歩いて領都に到着すると、取り敢えず色々見て回る事にした。


 「あっ!妖精だ!」


 「本当だ!でも、何の妖精なんだろ?」


 「フォルム的にはタヌキだよね?」


 「でも、金色だよ?」


 わたしはニック達と出会った時と同じく不思議そうに見てくる子供達をチラッと見てから、色んな屋台が並んでいるはずの広場へと向かった。


 『・・・うわぁ!たこ焼きだ〜!』


 わたしは嗅いだ事のある匂いに釣られて行ってみると、そこには正しくたこ焼きがジュージューと音を立てながら焼かれていたのだ。


 「おっ!お使いかい?妖精さん!」


 わたしはお使いではないけど大きく頷くと、たこ焼きを指差してからその指を一つの意味で立ててみた。


 「ん?買ってくれるのかい?」


 わたしが大きく頷くと、たこ焼き屋のおじさんは笑顔でたこ焼きを一皿用意してくれた。


 「ありがとう!また来てくれよな!」


 わたしは使い方は知ってるけど使った事は無かったお財布カードで支払いをすると、広場に点在している空いてるベンチに座って食べ始めた。


 『うんまっ!』


 わたしは今世初のたこ焼きに舌鼓を打ったのは言うまでもない。

 

 この世界には四つの国があり、基本的にはわたしが前世日本人の時に食べていた料理がいっぱいあって、それらの料理はそれぞれの国の食事情でアレンジされているっぽい。


 だから、ベジタリアンしかいないブルド王国ではたこ焼きには蛸は入っておらず、代わりにコンニャクや大豆ミートっぽいものが入ったボール焼きと言うものになっていた。


 それでもソースの味は美味しいから、毎日でも食べたかったのだけど、王宮で暮らすわたしは王宮で年に一回ある王国民交流パーティーと言う平民との親睦会で小皿に乗ったものを何度か食べたぐらいだった。


 『・・・美味しかった〜!お代わりしよっと!』


 そして、次は二皿買ってたこ焼きをペロリと平らげると、次は隣りのクレープ屋さんと言った感じで、広場の十五軒あった屋台は完全制覇した。

 

 ちなみに獣人族は皆んな大食いなのだけど、金色獣人のわたしは特に大食いらしく、ブルド王国でもびっくりされていたから、広場の人達のびっくり顔を気にする事はなかった。


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ