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繰り返しのゲーム  作者: 赤ずきん
繰り返された未来
65/74

炎のドラゴン

<まずは真実を知って、それでも友達が悪いのであれは怒ったら良い、ちゃんとダメって言い合うのも大切な友達の役目だよ?>


<真実?>


<本当って意味だよ、すぐに怒ったら相手も悲しいからね>


「なーんて、昔先生が言ってたけれど」

マカは独り言を言いながら森の上空をただひたすらある場所に向かって絨毯で飛んでいた。


(きっと城に行ったら何かが分かるような気がする……でもどうしてこんな事に)


思考を巡らせながら飛んでいるといつしか城も近くに迫ってきていた。


辺りは重苦しい雰囲気が漂い、雲は厚く覆い、城の前には細長い両方崖っぷちの道が長く続いていた。


「よし! このまま行っちゃえ!」


マカがスピードを上げようとしたその時とてつもなく嫌な効果音が耳に入った。


ビリビリ!


「あ」


あまり高くは飛んでいなかったためか、木に絨毯が引っ掛かり見事に破れていた。


「あ、あぁぁぁぁあ!」


雄叫びをあげながら地面へ絨毯と一緒に落下していく中マカは今までの出来事が走馬灯のように流れた。


「あぁ、終った、今までの悔い無き人生に祝杯を……」


瞼を閉じて合掌しながら落ちていくマカを誰がフワリと受け止めた。


「?」


何も衝撃が無いことに気づくとマカはゆっくりと瞼を開ける。


「大丈夫か!? この絨毯どうしたんだよ」


そこにはアゲハがマカをお姫様抱っこしており、ボロボロに破れた絨毯を見て、少し驚いているようだった。


「……」


一瞬の事で戸惑いを隠せないマカ。


「どうした?」


そして暫しの沈黙が流れ、マカの脳内整理が終った。


「ああああ! 下ろしてー! 」


「おい! 暴れるな!」


じたばたと動くマカを落とさないように必死で受け止めようとするが、まもなくして落下した。

ドサ!!

そこまで地面との距離が無かったから良かったが、危うく谷底に落ちてしまうところだった。


何もなかったかのように地面に仰向けに落ちたマカがむくりと立ち上がり、無言で城へと脚を歩み始める。


「マカ! どこいくんだよ!」


「いやー、ちょっと散歩に」


そ知らぬ顔をしているが明らかに焦っている。


「なんで散歩なのに城の方に行くんだよ」


ジト目でマカを見ると、その先にある両サイド崖っぷちのなんとも頼りない道なりを見ていた。


「た、たまには城を散歩してみようかなって……それじゃ!」


そういいながらアゲハの隙をつき思いっきり走り抜けると、アゲハも少し遅れを取りながらもマカを追いかける。


「何で散歩なのにはしんだよ!」


「走る散歩なのです、走る散歩いわゆる走行散策!」


「何訳わかんねぇ事いってんだよ!」


何だかんだといちゃもんをつけ合いながら追い駆けっこを続け、とうとうアゲハに捕まってしまった。

右手を握られ反射的にマカは思いっきり振り返ると手を引いた。

「や、やめて! 」


「一人じゃ危ねぇだろ!」


「……でも」


「こんなところに一人で来て、二人だってついてきてねぇし、それに何かあったらどうすんだよ」


アゲハの真剣な眼差しから目線を反らし、返す言葉に困っていると、先ほどとは変わって強風が二人を襲う。


「きゃ!」


「うぉ!」


その風と共に視界の端がぼんやり赤く染まり、その先に目をやると炎の渦が二人に向かって急接近していた。


「あぶねぇ!」


「へぇ!?」


急に覆い被さって来たアゲハに心臓が張り裂けるのではないかと言うくらいこの状況でときめいていたマカは顔を真っ赤に染めながら難を逃れた。


何が起きたのか見ると、アゲハが相手の攻撃を魔法でブロックしていた。


「マカ! 平気か?!」


目線を合わせずそのまま相手に集中していたアゲハがマカの安否を確認する。


「だ、大丈夫! 待って今助けるから!」


杖をメニューから取りだし、隙をついてアゲハの横に出る。


相手のモンスターは全身を炎に包んだドラゴンの様だ。


口から火を噴き出しながら空中をさ迷っている、そいつに狙いを定めながら水の玉を次々と周りに出現させ、勢いよく前に杖を突き出した。


「いっけ!アク……あーーー!!」


ゴォォォオオ!!!


「危なーい」


「マカ! 杖! 杖!」


「へ? あ!!」

水の玉を出したのは良いが相手の攻撃に先をこされ、ギリギリの所でなんとか交わすが、手に何も持っていないことにアゲハに言われて気がつく。


そしてその杖を取り戻しに行こうとするが相手の攻撃に押されて、それどころでは無かった。


「ど、どうしよぅ」


「他の杖は!?」


アゲハは、魔法でマカを守りながら必死に問いかけるとまたもや焦った顔をすると今度は照れ笑いを浮かべた。


「へへ、捨てちゃった」


「……え」


「何個も要らないと思って地面に植えてきた! これだったらきっとゴミを捨てたことにならないと思って!」


「ちがーーう! 埋めてもゴミはゴミだ! てゆーかなぜそんな思考になる!」


「地球環境のためです!」


「ここはゲームです」


そんな茶番をしてい間もドラゴンは攻撃をしかけていた。


「で、でもこんなに攻撃されたらし返せないよ」


困った顔をしながらアゲハの後ろに隠れ相手の様子を伺う。


「今はこれで守ってるけど、次もしもでかいのが来たらもたねぇぞ」


アゲハもキツくなってきたのかしかめっ面をしながら相手の様子を伺っていた。


絶え間なく炎を出し続けるドラゴンは翼を大きく開き時折強風でも攻撃してきていた。


マカはアゲハの顔を見ると、向こうに落ちた杖を見て、意を決したように走り出す。


「マカ!」


なんとか杖までたどり着くが、魔法を出す間も無く炎がマカに襲いかかっていた。


渦に巻き込まれたマカをみて守りを止め、渦へと近づく。


「おい! マカ! 」


大きく叫ぶが返事は帰って来ない。


「嘘だろ……」


膝を落とし両手を地面についたまま放心状態でいると相手の攻撃がアゲハに迫っていた。


(ダメだ!)


アゲハは思いっきり瞼を閉じた。







「アゲハ!」


だがそこにはマカが仁王立ちし、怪我を負いながらもドラゴンに水魔法を放っていた。


苦しそうに悶えるドラゴンは水柱に体の炎を消されどんどん衰弱していき、谷底へと落ちていき蒸発しているのか湯気が立ち込めていた。


気が抜けたのかそのまま座り込むマカに手を差し伸べ、マカはにこりと微笑む。


「な、なんとかなったね」


「ビックリしたぜ、どうやって出てきたんだ!?」


「水の膜を張ってたんだ、とっさだったからあんまり強力なのは出来なかったけど」


照れ笑いをするマカにアゲハは呆れ顔の様な安心したような表情を見せるとマカの額に自分の額をつける。


「え!? え!?」


「良かった……マカが無事で……」


「え、ぅん」


頬を赤く染めると必死に手で顔を覆い隠すがその手をアゲハが引き森に向かって走り出す。


「ほら、まだ二人じゃ難しいし、森にいる二人を見つけて来ようぜ!」


「うん!」


そう言うとマカは笑顔でアゲハと走り出した。

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