終盤
皆さん改めてどうも、このゲームではアゲハと名乗っています。
今俺はとてつもないピンチに襲われています。
俺の目の前には真っ直ぐ俺を見るマカが俺の答えを待ってくれているんだ。
実は先程前花火が打ち上がったのだが、その前に何だかよく分からん緊張感が漂って
「パァン!!!!!の事が好きです!! もしもよかったら付き合ってください!!」
そう!!!
俺は重要な所を花火の騒音に邪魔されたんだ!!
で!? どうして困ってるのかと言うと、もう一回言わせるのもどうかなーと思ってな
ほら、女ってそういう変なところあんじゃん?
どうするんだ!? 俺!! まぢでどうしよ!!
もう一回聞き直すか? いや、でも何回も言わせるのもなぁ、気の毒だし……よし! ここは話を取り繕って後で聞いてみよう!
「おう! いいぞ! どこにいくんだ?」
「……!!」
あ、あれ……なんか目に涙貯めてる。
俺悪いこと言ったかな……。
その時だった。
後ろから激しくどつかれる衝撃を受けた。
「おい!! アゲハ!! あんたマカを不幸にしたらあたしが許さないからね!」
「……」
そして真顔になるアゲハ。
「マカさん、弟がこれからもお世話になります♪」
「え、え? 聞いてたの?……はい! こちらこそよろしくお願いします! 御姉様!」
(いやまて! なぜ姉はマカに頭を下げているんだ!? で、なんだこの変な展開は)
アゲハがオドオドしているとまたしてもライムがアゲハの背中を叩き、耳元でささやく。
「結婚前提なのか?」
「はぁぁぁぁぁああ!!!?」
何の話かわけわからん!! この数分という間に何があったんだ!?
頭の中がパンク寸前のアゲハにさらに追い討ちが迫る。
マカが涙を拭いながらアゲハに近づき、アゲハも必死に作り笑いをしたつもりだった
が笑えていないのが事実。
「アゲハ君! これからも宜しくね!」
「は……ハァヒ……」
そんな曖昧な答えでもマカは嬉そうに笑っている。
何だかよくわかんねーけど、これで良かったのかもな。
うん、開き直ろう。
そう心の中で呟くと、アゲハはいつもに戻り、残りの祭りを彼女とエンジョイしてた。
二人はそんなカップルの誕生を祝い、邪魔をしないように女二人で花火を見つめていた。
「いやー、良かったね……やっぱりアゲハの事好きだったんだな」
「良かったですねぇ~、ライムさんも彼氏さんとか居るんですか?」
「いやー、この18年という月日のなか一度もできたことがないな……」
「あー、私もですよ、というか同い年だったんですね♪ 私も18歳です」
「奇遇だねー」
「……」
「「はぁ……」」
何故か落ち込む二人。
もう祭りも終盤という所まで来て、辺りには酔っぱらった住人や、屋台を放り出て飲み回っている人たち、買ったもので遊ぶ子供たちと皆それぞれに楽しんでいる。
「もうボチボチ戻ろうか……」
「そうですね♪ 行きましょう」
二人が宿に戻ろうと屋台通りを通っているとき、丁度宿の主人に出会う。
「楽しめましたかな?」
「はい、とってもありがとうございます」
「それは良かった、あなたたちには是非ここに残って村を守って欲しいと思うのですが……そうは行かないでしょう……これからどこへ行かれるのですか?」
その言葉に二人は今からいかなければならない魔王が住んでいるとわれる巨大な塔の話をすると、主人は険しい顔をしながら話を真剣に聞いている。
「巨大な塔……ふむ……この目で見たことはありませんが……そのような話なら宿主をしていたらよく聞く噂ですね、確かこの町を出て山を越えると、そこから崖道を通った向こう側にあると聞いたことがあります……でも山を越えるだけで四・五日間は掛かると思いますよ、それにあそこにはモンスターも近づかないくらい不気味な雰囲気が漂っているので、もしも行くのであれば気を付けて下さい」
主人の話を聞きながら宿に戻り、二人は決心する。
このゲームが終わるのは後少しだと。




