金の発掘作業
ライアンと蔦の絡まる洞窟に行った後私は、父に私たちが発見した最初の洞窟のまわりを調べるように言った。
隣の伯爵様とライアンをつれて、私たちが発見した洞窟の側でライアンとの打ち合わせ通り、蔦で入り口が塞がった洞窟を発見した。 中に入り調べた父達はこの洞窟の金の採掘をすぐ決めたようだ。
ゴムの製造を始めたばかりの隣の子爵家には資金がないがこの洞窟は隣の子爵領なので、父が作業資金を出し、採掘した金の利益は折半にするよう話が決まったようだ。
私が、伯爵夫人として生きた時、この洞窟には、かかわらなかったが、私が持参金がわりにもらった洞窟で雇った作業員のリストは日記に記載していた。 私は彼等に作業代を出していた。 彼等は全員ならず者だが、確か隣の子爵領出の50歳ぐらいのリーダー格の2人いた。 今回の作業員募集で、この2人が来るかもしれない。 前回、父達の事業を妨害したこの2人は、熟練の鉱夫として応募してきても絶対雇いたくない。
私は今回洞窟での作業員は、出来る限り少人数で身元のしっかりしてる人を雇うよう、父に進言した。
それから私は毎日、我が街にメイドのエリーと御供の護衛兵士を連れて、領土にある大きな街に出かけて行った。 確かこの街には、父達の洞窟を守ろうとして無念に死んだ、3人の鉱夫が住んでいた。
父から連絡を受け、私は彼等の遺族に主人には内緒で、僅かではあるが、父と一緒に弔問金を送ったことがあった。 彼等3人は親戚関係にあり、3人とも職を探している最中だった。 私は彼等の家に行き鉱夫募集のことを話した。
私は父に無理を言い、高額で彼ら3人を雇ってもらうことにした。 後、4人十分に身元調査をして、我が領と隣の領で合わせて7人の工夫が選ばれ、作業は私の提案でひっそりとおこなわれた。
食事中私は両領土の上にある伯爵邸に気をつけるように言った。
父は驚いたように、「あそこは、私達の領より豊かで金持ちだ。 伯爵様も良い方だ」と言った。
「そういえば伯爵様には、美しく、礼儀正しい息子さんがいるそうよ」との母の言葉に私は危うく食べてるものを吐き出しそうになった。 ドナルド、ドナルド、私を騙した殺したいほど憎い男、確かに姿は美しく礼儀正しい好青年に見えるが、中身は自分の家のことしか考えない、冷徹なハゲタカだ。
「そういえば、伯爵様から、マリアンヌとライアンに私達子飼いの子爵にティーパーティの招待状がきているわよ。 ドナルド子息も参加するようよ」と母は続けて私に言った。
そんなパーティに誰がいくか、本当に腹が立つ。 私は母に欠席の返事をお願いした。
彼には今世では一生会いたくない、いえいえ、むしろ彼の破滅をこの目で見届けたい。
私はその日、少し気分が悪くなり、早めに休んだ。




