傷らだらけのライアン
ライアンの傷は腕、足、顔の傷はさほど深いものではなかったが、背中に幾重にもある刀傷は深く、皮膚がふさがるにはかなりの日にちを要した。
私は毎日彼の屋敷に行き、彼と彼のお父様の食事を差し入れた。
彼は私の手紙を読んでくれたのか? 気にはなっていたが、傷が塞がるまでは何も聞かなかった。
一か月後、彼の背中の包帯がとれ、顔の傷も塞がったった時、私は手紙の返事を彼に聞いた。
手紙には、ライアンが大人になったら、私と結婚してください、と書いていた。
彼は、「侯爵の屋敷で自分はメリーアンには相応しくないと思ったし、薔薇園でメリーアンに嫌われるようなことをして、もう会ってもらえないと思っていた」と言った。 私はライアンに、男性は好きな女性を前に、あんなふうになってしまうことがあるけど、もっと男性は女性に優しくキッスしなくてはだめだよ、あの時はライアンが嫌いになったりしたわけではなく、ただ驚いただけだ、と彼に言った。
まだ、釣書ももらってないのに、あんなことをしてはだめだ、と彼に話したが、あせって、何か説明がおかしくなっしまった。 ライアンは自分の顔を鏡で見たらしく、「醜い顔がさらに醜くなり傷だらけの男はメリーアンには自分はふさわしくない」と言った。
顔の傷なんて、、、体の傷なんて、私はまるで気にしてない、ライアンの命があって良かったと言った。
私は過去、現在の復讐のために、ライアンを突き放してしまったことをライアンに申し訳なく思った。
ライアンの私に対する気持ちは昔と同じだったのに、、、私は復讐することで、大切な人を失ってしまうところだった。
ライアンは少し傷が残ったが、元気になった。 私たちはライアンが育てた薔薇の温室に薔薇の様子を見に行くことにした。
ライアンの好物のビスケットの籠はライアンが持って行った。
私達は薔薇の温室であの時とは違うやさしいキッスをした、その後は、釣書がまだないのでだめだよ、と彼に言った。 その日の午後、彼と叔父様が我が家に来て、釣書を正式に出してくれた。
父も母も弟も私たちがこうなることを喜んでくれているようだ。
夕食はライアン、叔父様と一緒に皆で以前のように夕食をとることになった。
ライアンは私達と一緒に食事をとることに久しぶりだったので、少し緊張していたが、美味しい食事をとり、弟がいつものようにライアンに面白いことを言うので、いつもの笑顔で笑ってくれた。
ハリス商会は王国指定の商品を扱る店になり、両子爵の商品を扱いさらに大きな店になった。
わたしは、白樺の樹液で傷がなるべくはやく回復するよう美肌水、クリームを作り、薔薇の肌水と同様に売り出す、新しい商品の開発をライアンと一緒に始めた。 ライアンは笑いながら「僕の顔を実験に使うの?」と聞いたが、私は新良品開発だよ、と微笑んで答えた。
多分彼の傷回復には長い年月がかかるだろう、でも私は傷のことは忘れ、彼に新しい物作りに集中してほしかった。 私は何か良い化粧品をもう一つの両領土の名産品にしたかった。




