メリーアン19歳の誕生日
私が19歳の誕生日を迎えた。 私は久しぶりにパーティー用のドレスを着て、私の誕生日に参加した。 前世では結婚の予定日も決まり、浮ついた誕生日を送っていたが、今回は化粧品事業の関係者が多く、メディチ家のエリッサと婚約者のアントニオ、エミリアとエミリアの婚約者フィリップ、彼女のお兄さまロバート、子爵家のネフィナ、それから私が誕生日カードを送った子爵家のビオレッタも参加してくれ、金の洞窟関係の人、薔薇園の管理関係、農場、農園の主だった人達、たくさんの人たちが私の誕生日をお祝いしてくれた。 今まで交流のない子爵領のビオレッタはまだ16歳で自分が呼ばれた理由がわからないようだが、話題の化粧品の事業主の招待に大変喜んでいた。 もちろん、明るく朗らかなビオレッタに私達は皆すぐに仲良くなった。 賑やかなパーティーになったが、となりの子爵家のライアンはやはり姿を見せなかった。 彼に一目でもよいから会いたかった。
隣の子爵領の叔父様は私を見て、「君のお父さんが、釣書が毎日山のように届くというのは、ほんとうのことのようだね、さすが社交界の宝石」と私を褒めてくれた。 叔父様は社交界には縁がほとんどないのに、叔父様にまで噂が届いていたのだ、と私は驚いた。 「ライアンは人見知りなので、大勢のパーティは無理だ」と叔父様は言った。 パーティーの後でライアンからのプレゼントがあるので渡すと言ってくれた叔父様の言葉が嬉しくて、私は早くパーティーが終わらないかと、思った。
最近私の父もおじ様も何か私達のことを感じているのか、叔父様は私たちの領に来ることが少なくなり、もっぱら父が共同事業の金の採掘のこと、薔薇の花やメープルシロップのことで、隣の子爵領に行っている。
パーティがお開きになり、私は、来客の皆に誕生日の最後の挨拶をする際、エリッサ、エミリア、ネフィナ、ビオレッタとお茶会を我が家ですること約束をした。
皆が帰った後、叔父様は馬車から出したライアンが用意したプレゼントを受け取った。
さっそく私の部屋に運んでもらったが、それは見事な樫の木の箪笥と少し大きめの木箱だった。
樫の木で出来たライアンのプレゼントは、箪笥には見事なバラの花の彫刻があり、木箱には蔦の彫刻があった。 ライアンは「これを毎日懸命に作っていた」との叔父様の言葉に嬉しくて涙が出そうになったが、その後の「嫁入りの時はこれを持っていってやってくれ」の言葉に現実に戻された。
私は叔父様にまだまだお嫁にはいかないと、言った。
私は心のどこかでライアンが私の誕生日にパーティーに出てくれ、彼のおめでとうの言葉を期待していた。 私はライアン用に彼の好きなドライフルーツの入ったビスケットをたくさん焼いたので、彼に持って行ってもらうように頼んだ。 もう子供じゃないんだよね、ライアンは、、、私は来年の彼の誕生日に薔薇の化粧品の権利をすべて譲り、そして、彼のことはもう、忘れなくてはいけないと思った。




