メリーアンの戸惑い、告白
屋敷に帰り、私はまず口を濯いだ。 ドナルドのくちづけは、氷のように冷たかった。
私は、薔薇の花の風呂に入り、身を沈めた。 明日ドナルドは私の屋敷に結婚を申し込みに来る。
彼から逃れるため、とっさに出た言葉だが、私はドナルドともう一度やりなおしたいのだろうか?
今の私なら、ドナルドを上手く操り、もっと上手に彼と暮らすこともできるだろう、でもやはり、前世、殺そうとした男と一緒に暮らせるのだろうか? 去年の長雨と冷害で伯爵領は相当困窮している。
彼の様子では私との結婚を早急に希望している。 明日彼がきたら、もう一度冷静に彼と話し合おう。 彼に過去あったすべてのことを話そう。 彼とまた結婚して、復讐の続きをしても、むなしいだけではないのだろうか?私は自分が何をしたいのかわからなくなり、もう一度薔薇の香る風呂の中に身を沈めた。
メイドのエリーに頼み、彼の好みのドレスをすべて処分してもらうことをお願いした。 エリーは何処かにそれを持って行き、お金に代えてくれた。 私はそれをすべて、エリーに渡した。 エリーは今まで良くやってくれた、エリーと一緒にここまで社交界をふらつきながらもなんとか歩いてきた。 風呂から出て、私はしばらく休んだ。 夕食の時私は食事がほとんどとれなかった。
父も母も弟も私の体調をとても心配してくれた。 執事に私はしばらくパーティー、舞踏会の参加はお休みするので招待状は受けないと言って、自分部屋に引き返した。
翌日ドナルドは王子様のような美しい姿で大きな赤い薔薇の花束をもって私の屋敷にやってきた。
私の地味な服装に驚いていたが、私は静かに居間に彼を案内した。
私は彼の持ってきたバラの花束を居間の花瓶に飾り、27歳の私になり、緊張気味の彼に静かに昔のことを語り始めた。
私はあなたと結婚してた過去がある、そして私たちの結婚はあまり幸せなものでは、なかったと、、、
彼は俄かには信じられないという様子だったが、今の私には彼の知らない私だけが知っていることが多くある。
お母様の居間は使われていない部屋の箪笥の上の右側にはいろいろな色のきれいなレースのハンカチがたくさんある、私はそれを繋げ一つの布にして居間の飾り台の上に飾ったこと、お父様の部屋の机の中にはあくさんの飴があって、古い飴を処分して怒られたこと、その他にも8年も暮らしたあの屋敷のことでドナルドのまだ知らないことをたくさん話した。
驚く彼の顔を見ながら、伯爵領は今危機に瀕しているがあまりあせらないで、事業を見直し、縮小して、ゆっくり今後のことを考えたほうが良いと、彼に言った。 8年前、私はあなたを殺そうとしが自らが死んで生まれ変わったと彼に話した。 そしてあなたに近づいたのは、復讐のためだったと、彼に言った。
彼は弱い声で「僕を殺そうとした原因はなんだ? 僕は愛してない女とは結婚しない」と言った。
私にはわからなかったが、彼は彼なりに私を愛してくれていたのだろうか? 私は彼にとっては残酷な話をした。 私達に子供が出来なかった本当の原因を、、、私はその当時のことをすべてを話し、私たちは結婚できないと、言った。 彼は真っ青な顔で居間を出た。 私はそんなドナルドを涙が流れるのもそのままに、見送っていた 涙と一緒に、私はその時、自分の過去と決別した。




