さよなら、ライアン
自分の屋敷に戻り何日も眠れなかった。
ゼルダ達のライアンにしたことを許せなく復讐してやろうと思った。
私がドナルドにした舞踏会でのささやかな復讐が、ゼルダの嫉妬心に火をつけたのかもしれないけど、何の関係もない心の清いライアンを、醜い言葉で傷つけてよいはずがない。
私は彼女達にとって今は子爵出の田舎娘かもしれないけれど、彼女達に必ず、復讐してあげる。
そして私の力で大な力を持つロナール公爵家のゼルダに対し自分の体を使ってでも復讐を決意した。 ドナルドに近づき、彼女の一番嫌がることをしようと思った。 私は生まれ変わったかもしれないが、運命には逆らえないのかもしれない。 ドナルドの好きな食事、好きなドレス、好きなしぐさ、彼の体まで、私はすべて知っている。 彼を夢中にさせてゼルダから彼を取り上げることなんて、今の私には簡単なことだ。 私は再び社交界に戻ることにした。 そしてライアンと二人で作った最後の商品、薔薇の化粧品を誰もが欲しがる有名な商品にしようと、決めた。
私はハリス商会に行き、化粧品を大々的に売り出す計画をたてていたが、両子爵領は、大量の商品を売り出すだけの薔薇がないので、商品を出すのは友人たちのいる3つの領だけにしてほしいとリストを渡した。 他の領からも、予約がすでに入っているようだが、これ以上の注文は取らないでほしいと頼んだ。
そして、個数制限した、限定商品にすると言った。
ハリス商会はいきなりの方針転換に驚いていたようだが、引き受けてくれた。
それからエリッサの館に行き、今回のことを、彼女に話した。 エリッサは「私が良いと推薦してる商品にゼルダ達がケチをつけてきたの? 許せない。 それに使用禁止にしてた、ゲストルームに入ろうとしたことも、私は彼女達を今後この館には出入り禁止にするわ」と怒ってくれた。 「ライアンのことは気の毒したわね。 彼は元気なの?」と聞いてきたが、私は言葉につまった。 ライアンが元気なはずがない。 ライアンを心無い言葉で傷つけたのは、彼女達だ。
ちがう、彼女達ではない、私だ。 ライアンが大勢の人達にいる社交界は苦手だと言うのを知っていたのに、2人で頑張って作った商品だから、2人で売り出そう、と誘ったのは私だ。 彼の笑顔をだんだんと奪ってしまったのも、私だ。 彼を守ると決めたのに、彼のそばにいたのに、、、気が付いていたのに、、、そして私は自分の配慮ない行動で彼に取り返しのつかないことをしてしまった。
ごめんね、ライアン。 そして、さよなら、ライアン




