薔薇の衝撃
私が父と隣の公爵領に行くと、ライアンのお父様はとても喜んでくださった。
ライアンは2日前に公爵家に商品を納入をして以来、とても暗い顔をしているので、彼の好きなビスケットを持って行ってやってほしい、とおじ様に頼まれ、私はライアンが花の管理をしている薔薇園にビスケットを持って行くことにした。 メリッサの屋敷で何かあったのだろうか? ライアンにはパーティーの広間は通らず、裏口から入って護衛のいる部屋に入るよう言ったので、煩わしいことはなにもないはずだが、元気がないなんて病気にでもなってしまったのか? 空が急に暗くなってきて、雨が降りそうなので、ビスケットの入った籠を抱えライアンのいる薔薇の温室に急いだ。 薔薇の温室にいくと薔薇は満開に咲いていてむせ返るようなに強いバラの香りがした。 ライアンは、私を見て「近寄るな」と言った。 そして、そばにある水桶で水瓶にあった水を体にかけながら石鹸を使い体を洗い始めた。
私はライアンが何をやっているのかわからなかった。 「僕は汚くて臭くて醜いから」ライアンは私に言った。
誰がライアンにそんなことを言ったのだろう? 私は水桶から水を掛けるのをやめさせ、彼の体に手をやり、ライアンの体を確認するように、どこも汚くないと彼に言った。 顔を覗き、顔だって綺麗で醜くないと、彼に話した。 匂いもいつも薔薇の香りがしていい匂いだと顔を近づけると、乱暴に私を抱きしめてきてた。 私が驚いて立ち尽くしていると、強引に唇を奪い、ドレスに手をかけてきた。
そのとき、台の上のビスケットの籠が落ち、私はライアンの名をよび強くライアンを拒絶した。
彼が手を離した時、私は温室を飛び出していった。 ライアンは乱暴なことをする子ではないと思ったが、彼の行動が信じられず涙が出てきた。 雨の中、とぼとぼ屋敷に帰って、お父様に気分が悪くなって、屋敷に帰りたいと言った。 ライアンのお父様もライアンが一緒じゃないことに心配してくれたが、ライアンは温室に残って仕事をしていると、言った。 私は雨に降られ気分がすぐれないと説明した。
私は帰りの馬車の中で、自分がとても恥ずかしかった。 ライアンの体を近寄ってペタペタさわったり、顔を覗き込んだり、彼だって18歳の健全な男だ。 私のやったことが間違っていたのだ。 別にライアンが嫌いなわけではない、いい年をして、少年相手に泣くなってみっともない。
でも彼があんなことをするなんて、きっと、メリッサの屋敷でなにかあったにちがいない。
私は明日メリッサの屋敷に行こうと思った。 もうライアンには、2度と会えないんだろうな。
そう思うと、私は寂しかった。




