雨の日の薔薇園で、、、
雨が少し小降りになった時、私はお父様とチーズ、乾燥フルーツとライ麦で作ったパンをたくさん持って隣の子爵領にやってきた。 叔父様には、今回の長靴のことで、大変感謝された。 ライアンが屋敷にいなかったので、私は彼の好きなビスケットを渡たそうと、彼の居場所を尋ねた。
「彼はバラ園で薔薇の花を手入れしている」との言葉で私は傘をさして彼のいる薔薇園に向かった。
以前はゴムの木がたくさんあったところは、薔薇園と乾燥室になっていた。
薔薇園に行くと、彼は作業台の上で気持ちよさそうに寝ていた。 バラの木の花は小ぶりで木はまだ少ししかなかったが、香りが強くとても良い匂いだった。 その隣には、ゴムの木の挿し木がずらりと並んでいる。 きっと彼は花の香に誘われて眠くなってしまったのね。 揺り起こそうとしたが、疲れているのかもしれないから、そのまま寝かせとほうがよいか? などと思い彼の顔を覗いた。 子供の時からいつも見ている顔だが、よく見ると長いまつげが案外可愛いな、などと思い、彼の大好物のビスケットを唇に押し付けたが、良く眠っていて起きそうにない。
私はちょっぴりいたずら心が出て、彼の唇にかるく自分の唇を押し当てた。
その途端、彼はびっくりして、飛び起きた。 ビスケットにも起きなかった彼が私のキッスにそんなにびっくりしなくても、、、これはいつかの洞窟でのお返しただよ、と私は言った。
「もう一度キスして」と言ってきたが、ダメだと断った。 持ってきたビスケットを薔薇の花を見ながら一緒に食べた。 来年はこの温室は薔薇の花でいっぱいになるだろう、綺麗だろうな、と私は一面に薔薇の花咲いてる温室を想像した。 温室のガラスに雨だれが落ちて、強い薔薇の花の香りに私も眠くなってきたので、隣の乾燥室に案内してもらった。 今回乾燥室はライアンが採った、茸が沢山乾燥してあった。 今年の冬のため白樺林に出る、鹿や猪もたくさん狩ったそうだ。 茸のとなりには乾燥肉がたくさんあった。
今度私が茸と肉の美味しいパイを作ってあげると約束して乾燥室を出て屋敷に戻った。
今回のことはみんなに内緒ね。私はライアンに練習した最上級のほほ笑みで言った。




