両子爵家の話会い
誕生会の後、伯爵家のドナルドは、見舞の品と手紙をよこし、何度かティーパーティの招待状を私によこした。 私は当然、彼の招待を無視している。 今日は我が館に、隣の子爵様が、第2の洞窟で鐘の鉱石採掘の話をしにきた。 私はエリーに変わってもらい、2人のお茶を入れながら、少しだけ、お父様の話に参加した。
今回の洞窟は両子爵領の境界線のあたりにあるので、資金は折半にするそうだ。
隣の貧乏子爵様も金の採掘のおかげで、今回は資金を半分出せるようになっていた。
ゴムの事業も成功しつつあるのでお金に大分余裕がでてきた。
ライアンから温室の話も聞いて、薔薇栽培にも本格的に力を入れたいそうだ。
私は、自分の貯金をすべて、傘とレインコートとバケツにつぎこんでしまったので、薔薇の苗はお父様に頼むしかない。 香りの強い薔薇には心あたりがあるが、今年は大規模な温室を作り、その中で試験的に薔薇を育てることにした。 父は「我が領に薔薇園の温室を作ればよいじゃないか?」と言ったがそれでは意味がない。 我が領は農業で潤っている領なので、今年は食料確保が重要になる。 花より食べるものが大切なのだよ、お父様。 ライアンはどうやって自分のお父さんを説得したのか、山側に白樺や楓を植えるそうだ。 白樺は見た目綺麗だし、樹液は、化粧水の原料にも、健康に良い飲み物にもなると、ライアンに教えてあげた。 あと、今でも、楓の木でメープルシロップを作っているが、今年から本格的に作るそうだ。 メープルシロップは単体だけでも栄養価が高いが、我が領でとれたリンゴの実をつけて冷凍しとけば、保存食になる。 ジャムもいろいろ作りたい。 私の父もリンゴ漬けのメープルシロップとジャムの話には乗り気である。 リンゴ、レモン、蜜柑の他、隣の子爵領でもライアンと山に行き、なにかジャムになりそうな実を見つけてくると叔父様に約束した。
母は茶菓子を持って来て、私たちの会話に途中から参加して「なんだか最近メリーアンは食い意地が張ってしまって、食べ物のことばかり考えている」と呑気に客人に話しているが、母よ、私は来年の後半に本格的に起きる異常気象のことを考えて、、、と言いたかったが、生まれ変わったなんて言っても誰にも、信じてもらえない。 まだ天候不順になるのは、一年半ぐらいあとだから、ゆっくり考えて行こう。 来年は例年より春になっても少し涼しく、夏の終わりから長雨が降り続き、冬はいつもより早くやってきて、異常に寒かった。
こんなこと誰に言っても信じてもらえないが、すこし脳筋のライアンに呪文をかけて、信じさせよう。
私って、こわ~ぃ女なのよ。 ついでにライアンのお父様にゴム製品の原料販売だけじゃなく、長靴も自分たちで作ったら良いと言っておいた。 長靴は我が領でも農作業に必要だし来年は需要がはねあがる。 ライアンのお父様は何とか、期待に応えて頑張ってみると笑った。




