通路のアレンジを試しに
「今回のダンジョン作成、まだはじまったばかりですよ? 私を褒めるのはまだ早いというか……」
「そうだな。この程度ではオシリスのダンジョンマスターは満足しないだろうな」
「フィーちゃんに、なんか言い直された感じが心地よくないというか」
唐突に不満そうな顔つきをみせると、ただの気のせいだ、と言わんばかりの表情がフィースペードか出てきた。
「みゅー。あの青い人は放置しておいて、パルトラさんが増やした細い通路のアレンジをどうするか考えてませんか?」
「アレンジですか……」
「みゅー。そうです」
アマノハクは、私がまだ見たことのない空色のキューブ状のオブジェクト両手を包み込んでいた。
「みゅー。今回はイベント用、つまり普通ではないダンジョンということになります」
「うんうん。それで?」
「こちらから使える異界のモノがあるということです」
アマノハクは空色のキューブ状のオブジェクトを、神秘の地下道の立体マップに捧げる。
「アマノハクさんはいったい何をしたのかな?」
「みゅー。しばしのお待ちを、なのです」
キューブ状のオブジェクトが一気に崩れて、立体マップに吸収されると、細い通路が水玉模様のようなボコボコとした形へと変わっていった。
「ムグルルがいる部屋を取り囲んでいた道が、壊れだしたよ?」
「みゅー。さっきのは悪戯好きな精霊の魔力を封じ込めていた結晶なのです」
「それで、どう変形していくのですか?」
「みゅー? それはですね、どうなるか分からないのです」
「どうなるか分からないということは……ネフティマちゃん!」
私が呼びかけると、すぐにネフティマが私のそばに現れる。
「観測の必要はない」
「ふむふむ、つまりネフティマちゃんによれば、この世界に異常をきたすことではないということですね」
「パルトラさんは、なんの心配をしているのですか?」
「一応は、未知なるアイテム使用によるトラブル発生ですね」
悪戯好きな精霊というワードを聞いたので、念には念を入れたかった。
「みゅー。悪戯好きの精霊は、悪い精霊ではないのですよ」
「それは私でもわかるのですけど……」
アマノハクがオブジェクトを捧げた際、私自身に変な空気が押し寄せてくる気配がしていた。
不穏というよりかは、不吉と呼ぶべきだろう。
そして、それはどことなく……恐怖の感情エネルギーに近いものがあった。
「本当に精霊なのか、確かめても良いかな?」
「みゅー? 別に構いませんよ」
「わかりました。それなら一度現場をたしかめるということですが、他の皆さんもそれで大丈夫かな?」
私が問いかけると、ダンジョンの立体マップに対してぐるりと取り囲むように立っていた皆が一斉にこちらへと振り向いた。
「あたしは、パルトラの意見に賛同する」
「ティルは楽しければなんでも良いよ?」
「観測、まだ不要。パルトラさんの好きにすれば?」
「トルードのダンジョンマスターとして、この場はパルトラさんに任せます」
「意見を要約すると、大丈夫そうですね。では……」
この場で承認がとれたことを目に焼き付けた私は、天翔る銀河の創造天使のスキル解除を行った。
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