パルトラ、新たなダンジョンの作成をする
「ティルティちゃん、ダンジョンの名前は何が良いかな?」
「ティル、そういうの苦手だからパルトラちゃんに決めてほしいかな」
「私がですか……そうですね……」
ティルティとは元々、オブスタクルを通じて繋がった仲である。オブスタクルは楽しいアスレチックのような動きをすることもあるから……。
「アスレ山道ってどうかな?」
「アスレサンドウ……良いと思います!」
ティルティはとても気に入ったのか、ひとり鼻歌を歌いだした。
私はティルティの鼻歌を心地よく聞きながら、飛行するのを楽しんだ。
ティルティと一緒に飛んでいると、山がどんどん近づいてくる。
地上では冒険者がフィールドにいるモンスターと戦っている様子を何度か見受けられたが、特に手を出す必要はないと判断した。
私はダンジョンで冒険者を倒すダンジョンマスターのひとり。冒険者を倒すのは、私のダンジョンでやりたいことでもある。
「ティルティちゃん、やっと到着ですね。このあたりで良いかな……?」
両足をつけた私の目の前には、大きな岩山があった。
「パルトラちゃん、ダンジョンってどうやって作るのかな?」
「私のスキルを使うのですよ」
集中力を高めて、新たなダンジョンの入り口のイメージした。
「スキル発動、天翔る銀河の創造天使!」
スキルを発動すると、私とティルティがすっぽり入り切る程度の魔法陣が出現する。
新たなダンジョンの作成を行う為、クラフトルームへと転送される。
「……ティルティちゃん、ここがクラフトルームです」
「すごく黒い部屋、デスね」
ティルティのひとことはとても直球だったが、それが正しい。
クラフトルームに入る際に、黒い岩を無意識にイメージしたせいかもしれない。
「これはこれで、ダンジョンづくりの作業が捗るなら問題なしですよ……たぶん」
「パルトラちゃん、自信なくなってきた?」
「そんなことないです!」
意地でも張り切ろうとした私は手先を動かして、ダンジョンの見取り図の画面を目の前に出した。
そのまま私は、黙々と手を動かし続け、山道らしいダンジョンの地形を作り出す。
「ひとまずダンジョンの地形を作成しました。細かい地形変更は後ほどするとして……」
「パルトラちゃん、もう完成じゃないの?」
「いえ、まだまだこれからです。ダンジョンといったら、モンスターが必要ですので!」
私は、ティルティの両手を握りしめていた。
魔界ダンジョンのベータテストを経験したティルティならモンスターについての理解は早そうだが、モンスターの作成については見たことすらないと思われる。
結局のところ、ベータテストでは魔神以外のモンスターと遭遇すらしなかったのは少し気になる点ではあるが……。
「ダンジョンまずはモンスターが落とす素材が必要になります。まずはそれをかき集めましょうか」
「モンスターの素材集め……! ティル、いっぱい集める!」
「そうですね。行き先は、魔界ダンジョンなんてどうでしょうか?」
「ティルも魔界ダンジョンに行くー!」
「ティルティちゃんならそう言うと思いました。では、気持ちが冷めないうちに行きましょうか」
ティルティと手を繋いだままの私は、クラフトルームを閉じるイメージを頭の中に浮かび上げた。
クラフトルームはすぐに閉じて、私とティルティは岩山の前に立っていた。
「ダンジョンの入り口らしいのはもう出来てますけど、モンスターがいないのでただの山道ですね。これからダンジョンとして大きくしていきますよ!」
「おー!」
元気いっぱいなティルティの声が、フィールドに響いた気がした。
とにかくティルティはやる気に満ちていた。
今回もお読みいただき、ありがとうございます!
新作小説
「ラストダンジョンに登場する雑魚モンスター『ヘルライダー』になっていた。魔王のお手伝いをすることになった 」
是非こちらもお読み頂けると幸いです。




