探偵事務所の食卓
●リリークラン
結論からいうと、自分は死んでしまった。
四方八方からなのか分からないけれど、モンスターに襲われて、意識が途絶えたところで現実世界に引き戻されていた。
フミエルから伝わってきていた言葉の言う通りならば、現実世界で死んだも当然といえる。
でも、秋星夜叶は生きていた。
提供されていた黒い端末の開発元が、どうやら他の冒険者と違ったらしい。
夜叶が使用していた黒い端末を作成したのは、ジョーカーという人物によるものだった。
そのジョーカーというのは、いったい誰のことを指すのか。
それはいくら探しても手掛かりが掴めなくて、現状では探偵事務所として調べようがなかった。
あとは、仮想空間にて死亡した他の冒険者についてだ。
他の冒険者は皆揃って行方不明となっていた。
命の燃やすスキルの効果は発熱性をもたらす装置の動きで再現、出力が高くて心臓から体全体が燃えてしまったのではないかという、憶測が立った。
その後の調べで、黒い端末の開発元に捜査が入って、憶測が正しいと証明された。
他の冒険者の所在地と発生していた火災事故現場との合致もあって、これには納得してしまった。
探偵さんの調べがあって、真実に辿りついていた。
やっぱり探偵さんには腕があるということを、夜叶は助手として改めて実感した。
それにしても、本日はとても賑やかである。
探偵事務所の昼の食卓には、卵焼きが乗った皿が四つ並べられていた。
探偵さんは席を外して、キッチンシンクの前でカラセナを名乗っていた女性探偵とお喋りしている。
そして、ソファーに座っている自分の前方には、両目が小さくて丸っこい金髪の美少女が目を光らせてお座りしていた。
対面上にある、別のソファーの上に。
「いただきますっ!」
「まだ駄目ですよ。というか、どちら様で……」
「助手さんにどちら様と言われましても。わたしは、双葉・アウシュリカ・ふみです~」
「ふみさん……フミエル……?」
「おお、流石は名探偵の助手さんですね。ちなみに助手さんと同じ年ですよ?」
「……そうだったのですね。それで、なんでウチの探偵事務所に?」
「わたしの罪滅ぼしです。正確にはアモネイド株式会社からの、スカウトと言いますか」
「会社さんも随分と大きく出ましたね。助手の自分には関係ありませんけど」
「ふっふっふっ、貴方には関係ないと思ったら大間違いですよ。なんと~」
「住所不定無職になる予定だったふみさんは、ここに住むのですよね。知ってます」
「なんですと~!」
「探偵さんが言ってました。自分はフミエルの行為を許したわけではないです。でも……」
条件付きで許しを得られるよう、アモネイド株式会社を説得させたのも、探偵さんの腕によるものだった。
フミエルのことは、生涯ずっと探偵さんに感謝したいと思った。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
これにて本作品は完結です!!
第3.5章は補完程度になりましたが、書きたかったエピソードを書くことが出来て満足しています。
面白いと思われましたら、評価や感想を付けて頂けると幸いです!!




