次期国王、ラインハルトの悪だくみ
4月に入りラインハルトは心が安定していなかった。
5月に戴冠式があるのに心は晴れなかった。
次期王妃になる政略結婚した公爵家の妻とはことごとく反目して、彼女も実家にいろいろ用事を付け帰ることが多くなった。
ラインハルトは鬱憤した気持ちをエランドール公爵家の向けていた。
公爵家に影をつけ、いちいち影に報告するようにしていた。
公爵家は活気に満ちすべて娘のビビアンがその原動力になりその勢力をましていた。
フェルナンドとの婚約が解消され、ビビアンは新たに疫病の薬を開発した伯爵家のアレクサンダーとの婚約契約書が王宮に出されていた。
一方婚約解消された、フェルナンドは公爵の寄り子の伯爵家で最近養子縁組をした令嬢と付き合っている。
2組の婚約者達はとても仲が良く幸せそうだ、との影の報告にラインハルトは激怒した。
エランドール公爵家の比護の下でフェルナンドはのびのび幸せそうに暮らしていると聞きラインハートに暗い嫉妬の炎を燃やした、フェルナンドが幸せになることだけは阻止したかった。
父である国王は側妃を貰うと、愛情をそちらに注いだ。
私の母はそのことに酷く苦しみ一時気を病んでしまったこともあり、私につらく当たったこともあった。
その後母は私の弟を身ごもったが、父の関心は母の子供には向かなかった。
同時期、側妃が懐妊していること知った父は王妃の息子の私にも母のお腹に宿った弟にも目をむけることはなかった
私は父の側妃を恨んだ。
しかし子供を産んでまもなく側妃が死んでことで、私の父は一変した。
彼は悲しみのあまり息子を離宮に移したのだ。
同時にまだ幼い私に王道教育を施したのだった。
離宮の管理は従来王妃がしている。
離宮の管理を任された母は元気を取り戻し、王妃として彼に死なれては困るので、メイドの手配食事など最低限度のことはした。
厳しい教育に私の心は何度も潰れそうになり、私とは反対に周りに甘やかされ育ち、我儘な離宮のフェルナンドの姿を見て私は彼に次第に憎しみを持つようになった。
フェルナンドは領土視察のおり、身分違いの爵位の低い娘と恋に落ち密かに暮らしていたようだが、私は好きでもない令嬢とこの国のため政略結婚が決まっており、彼が城に連れ戻された時は影で笑っていた。
不祥事をおこしたフェルナンドを国外に婿として出したら良いと提案したのは私だ。
側妃によく似たあの忌々しい顔をこれ以上見なくて済むと思い、清々した。
他国で不祥事を起こし再び国に戻ってきたが彼はすべてに無気力になっていた。
父は何とか彼に婚姻を結ばせ、新しい道を見つけようと奔走していたが、公爵家にも伯爵家にも適当な令嬢はいなかった。
そこで私が提案したのが悪役令嬢で社交界でも名高いビビアンだった。
2度も派手に婚約放棄され、社交界でも婚約者を不幸にする女として有名だった。
彼女と婚約して王家から縁を切られれば、フェルナンドはもう2度と彼女から逃げることが出来ない。
私はビビアンに振り回され、不幸になっていくフェルナンドを見たかった。
影の話だとフェルナンドは以前より健康的で快活になっているようだ。
何より驚いたのはビビアンは品の良いドレスを着てやさしく美しく悪役令嬢の影も形もなかったことだ。
フェルナンドとも仲が良く、さらにフェルナンドは彼女の婚約者とも仲良くしているという報告だ。
最近フェルナンドは新しい恋人と自分の屋敷を仲良く見に行ったとの報告もあがってきた。
こんなことはあり得ない。
私は怒りで拳をにぎりしめた。
私はまず最初にビビアンに狙いを付けた、伯爵と婚約したと言うことは将来伯爵夫人になると言うことだろう。
相手の男ももともとは伯爵家を継ぐことのない学者肌の男で人付き合いも悪くあまり社交界には顔を出さない人物だ。
しかし結婚して夫婦になれば、自領の繁栄のためには社交界に出ることは必要なことだろう。
以前にも伯爵家のアレクサンダーと婚約届けは出ていたが、フェルナンドのことで白紙に戻しているので婚約の記録はない。
再び婚約届が王宮にでているが、ビビアンの相手のアレクサンダーは寄り親の公爵家に気に入られ、娘との縁談が進んでいると噂できいたことがある。
私はこの噂を上手く利用としようと思った。
悪役令嬢のビビアンが薬を作ったアレクサンダーに目を付け、エランドール公爵家が娘の婚約直前の公爵家を脅し今回伯爵のアレクサンダーを横取りしたとの噂を社交界中に流すことにした。
あくまで噂話なので、エレンドール公爵家も社交界出入り禁止になっているビビアンも抗議することはできない。
この噂が貴族の皆に流れれば、アレクサンダー伯爵家は相当ダメージを追うことになる。
私は自分の息のかかった貴族達を集め、この話を社交界に流すことを指示した。
指示された貴族達はこの話を聞き、公爵家のビビアンがいかにもやりそうなことだ、と皆で話していた。
どうやら私の計画は成功しそうだとその時思った。




