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悪役令嬢って誰ですか?  作者: 雪風花


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アレクサンダーとビビアン、愛の力

アレクサンダーが公爵家に着くと、彼はすぐ公爵の執務室に通された。

ビビアンの父親も兄のアシュレイも彼の訪問を喜んだ。

ビビアンの父のエドモンドは今日の午後、アカデミーに行きアレクサンダーに面会を願い出たが、彼はすでに侯爵領に帰ったばかりだったようだ。

兄のアシュレイは彼の訪問を涙を流し喜んでいた。

「ビビアンから君が婚約したと聞いてたが、よく娘のために訪問してくれた、感謝している」との言葉にアレクサンダーは驚いたが、ビビアンに会わせてくれと頼んだ。

彼女は今自分の部屋で寝ているが、すでに医者が匙(さじ)を投げている。

君の持ってきた薬も呼吸が苦しそうでもう飲めるかどうか? ビビアンは君の名を呼び続けているので最後に会ってやってくれ」と兄のアシュレィに言われてアレクサンダーは急いでビビアンの部屋を訪れた。

部屋の前ではローズが静かに泣いていた。


私はローズに新しい水を用意させ、ビビアンの部屋に入った。

彼女は赤い顔をして苦しそうに咳混んでいたが、時々アレクと私の名を呼んでいる。

私は急いで彼女のベッドのそばに行きビビアンの手をとった。

「ビビアン、ビビ、ビビ」と何度も彼女の名を呼んだ。

ビビアンは私のことがわかったのか小さな手でかすかに手を握り返してきた。

ドアがノックされてどうやら水が用意ができたようだ。

私はローズにビビアンの着替えを用意するよう頼み、彼女のそばで薬を飲ませようとした。

やはり呼吸が苦しいのか彼女は薬が飲めなかった。

私は薬を残った水に溶き自分の口に含んだ。

そして彼女に口づけするように薬を飲ませた。

彼女は私の唇を吸った、そして薬は私の口から彼女の体に少しづつ流れていった。

新しい恋人がいる彼女にこんなことをしてよいのわからなかったが、私は彼女を助けたかった。

彼女は私の名を呼び待っていてくれた。

しばらくすると彼女の荒い呼吸は止まり、安らかに寝息をたてるようになった。

私の作った薬が彼女の役にたてた、彼女の安らかな寝顔を見ているだけで私は満足だった。

しばらくすると再びドアがノックされ、彼女の着替えが用意された。

この部屋は立ち入り禁止になっていて、彼女は着替えをしていなかった。

「そう言えば以前もこんなことがあったな、ビビ」アレクは彼女の汗でビッショリになった服を脱がせた。

以前はほとんど目をつぶった状態で行われた作業だったが、今度はしっかり目を開けていた。

美しい彼女の肢体を自分の心に焼き付けておきたかった。

アレクは手早く彼女に新しい部屋着を着させた。

「ビビこれで少しは楽になるから」とアレクは彼女に言い、自分も持ってきた薬を飲み、そのままビビアンのすぐそばの床で横になった。

アレクはビビアンと再会した後、夜はほとんど眠られなかったので、彼女のそばで急に眠くなってしまった。

翌朝、彼女が目覚めた時、ビビアンはアレクが自分のベッドのそばで倒れているのを発見した。

私はまだ夢を見ているのだろうか? 愛しいアレクが私のそばで寝ている。

ビビアンは彼の体を抱き起こし、自分の膝に彼の頭を乗せた。

そしてその懐かしいモジャモジャ頭を撫ぜた。

アレクサンダーはビビアンの膝の上で目が覚めていた。

彼女の手が自分の髪を撫ぜるのを心地よく思い、しばらく寝たふりをしていた。

ビビアンはアレクサンダーに「アレクに会えなくて寂しかった」とポツリと呟いた。

その言葉にアレクは涙を流し目を開けてビビアンを見た。   ビビアンは体をこごませて私にキスしてくれた。     私が立ち上がると、ビビアンはドアの側に行き、ドアのそばにいるローズに「心配かけてごめんね。  私はもう大丈夫だから、屋敷の皆にこのことを知らせてね、それから2人分の食事を持ってきて」と頼んだ。

ローズは急いで皆にビビアンの病が快方に向かったことを知らせた。

そして、すぐ食事が用意された。   

2人で食事をとった後、ビビアンは静かにアレクの手を取って「婚約者がいるのに私にために来てくれてありがとう。   アレクに会えて嬉しかった」とビビアンが静かに言った。

「ビビ何を言っているんだ、僕の婚約者は君しかいない、あの時秘密の婚約式をしただろ」そのアレクサンダーの言葉でビビアンは大粒の涙を流した。   

アレクサンダーは、涙で濡れた彼女の頬にキスした。

ビビとアレク、アレクとビビ、2人はもうこれ以上何も言わなくても心が通じた。

やがてビビアンの父、兄が彼女の部屋にドアの前来た。

「アレクサンダーの作った薬は素晴らしいな、ビビアンを一日で治した。  やはり愛の力はすごいな」

とからかう兄にビビアンとアレクサンザーは顔を赤くした。

半日ビビアンとアレクサンダーはビビアンの部屋で二人で過ごした。

昼食を食べアレクサンダーはお父様に話しがあると言ってビビアンの部屋を出た。

アレクサンダーは持ってきた薬をすべて、領主エドモンドに提供した。

すでに治りかけのロメオとマリオにも、一人分の薬を半分に分け、提供した。

彼は自分の勤める研究室にエランドール公爵家に優先的に提供するようにする、といった。

この公爵家は国の海外貿易の要だ。 

ここから商品が各領に提供されれば、当然人の流れもついていく。

この領に疫病が充満してしまえば、大変なことになる。

今は船員3人とエランドール家に3人出ているだけだが、すでに広がってしまっている可能性もある。

緊急に患者を収容する施設が必要だ。    

自分の領のこと自分自身のことを相談するつもりで来たが、今はそれどころではない。

アレクはビビアンの部屋に戻り、薬のために一度自分の領に戻ると言い彼女にキスして彼女とは離れがたかったが館を去ることにした。


馭者を務めてくれたラルフは、久しぶりにこの館に来て、歓迎を受けたが、感染したビビアン、ロメオ、マリオの体が回復したことが嬉しかった。

そしてアレクサンダーがビビアンに会えたことを喜んだ。

アレクサンダーの顔には希望の光が再び戻ってきたようで、嬉しかった。

彼はアレクサンダーを乗せ再びミモザの待つ伯爵邸に戻った。





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