新しい年
年の瀬になるとアンドレ様はだいぶ体が戻ってきて、自由に歩くことができるようになった。
新しい年になり、私は一人でお父様と兄様に今回のことを報告がてら公爵家にすこし戻ることにした。
アンドレ様は私から離れてももう頭痛が起きることもないので、私は自由に動くことができる。
でも一番行きたいところにはもう行けなくなってしまった。
あんなに愛していたのに、たった3か月ほど離れただけなのにもう彼は幻の人になってしまった。
私はアンドレ様からもそろそろ離れる用意をしている。
アンドレ様から直樹の霊が消えてしまったので、私が彼の世話をする必要がなくなる。
彼が王宮アカデミーに受かれば、私は公爵家に戻ることになっている。
あと2か月ほどたてば、彼の試験と面接があるが私もアカデミーの試験日に同行することにした。
彼の採用が決まれば、以前からの約束通り公爵家に帰ることにしている。
アンドレ様の家は今まで一人暮らしだったので、家具は極めて少ない。
まあ、余計な家具はいらないが、私の部屋だった部屋に服を収納するクローゼット、そしてアカデミーに通うようになったら着る服など色々取り揃えてあげたい。
何しろ彼もアレクと同じ学者肌で服装にはあまり構わないから、あれじゃせっかくのいい男もだいなしだ。
今年になりアニーさんの商会に頼み少しづつ買い揃えている。
私は新しい年になり、私は公爵家に戻りお父様とお兄様にアンドレ様の体がすっかり回復したことを報告した。
お父様も兄様もとても喜んでくれて、私の帰りを心待ちにしている、と言ってくれた。
兄様の「元旦にアレクが、屋敷に野菜や薬草、ジャム、葡萄酒なのを持って来てくれ、新年の挨拶に来てくれた」との話を聞き少し違和感を感じたが詳しくは聞かなかった。
多分義理堅い彼のことだから、最後の挨拶にきてくれたのかもしれない。
お父様と兄様に報告を終え、私は自分の部屋に久しぶりに戻ってきた。
ローズは私を待っていてくれて、美味しいお茶をいれてくれた。
ロイドとマリールウちゃんが私の部屋に顔を出し、ロイドは学園でのことをいろいろ私に話してくれた。
アンナさん、コック長など次々私の部屋に来てくれ、美味しそうな料理やパンを持って来てくれた。
最後に顔を出したフェルナンド様は私にまだ怒っているようで、「なんで、姉様は僕という婚約者やアレクがいるのにいきなり昔の婚約者と駆け落ちなんかするんだよ」と私の顔を見て言った。
私が駆け落ち?相変わらずの勘違い王子様だわ。
まあ、事情を知らない人からみたら、そんな風に思うのかもしれない、アレクにもそう思われても仕方ないことだと思った。
次の日は商家3人娘と久しぶりに会った。 私は伯爵領にある店をどうするか話し合いたかったが、昔みたいに楽しい話だけをしたかったので、その話はしなかった。
店の方はミモザさんやロザリンさんを中心に時々3人娘が交代で店に出てくれてるそうだ。
そう言えばと、アニーさんが顔を曇らせて私に言った。
この間、私が店に出ていた時、公爵家の令嬢が、この店もいずれ私の物になると私に言ってたんですけど、「何なんですか?あの人は?あの店はお嬢様の店なのに?」と私に聞いた。
言葉に詰まる私にマーガレットもレイナさんも「少し頭がおかしいんじゃないですか?」と言ってくれ笑ってくれた。
私ももう、笑うしかないね、この場合は、、、最初は賑やかに、最後は少ししんみり皆との会合は終わり、その日の夜、その様子を見ていたローズが私の部屋に来てくれた。
ローズは私の顔色がとても悪いと心配してくれ、何も言わず、私を風呂に入れ、マッサージをしてくれ、お母様のように私を寝かしつけてくれその日は私に部屋で一緒に休んでくれた。
次の日は髪を丁寧に結ってくれた。
久しぶりに私のよれよれの心が癒された。
私は次の日アンドレの家に公爵家からのお土産をたくさん持って戻った。
試験日に向けあと2か月あまりラストスパート頑張るわよ、アンドレ様。




