再出発
アンドレ様が私のベッドで目を覚ました時、アンドレ様の体は酷く消耗しているようだった。
有難いことにアンドレ様はこの間の夜のことは何も覚えていなかった。
何故私のベッドで寝ているのかもわからないようだったが、体調がひどく悪かったのであまり動かせなかった。
私は彼のために消化のよい食事を用意した、
アンドレ様は今までの努力が無になってしまったような消耗した体になってしまったが、泣き言は言わない。
アンドレ様から、直樹の霊が離れたのだ。
アンドレさまは直樹の霊と今まで戦ってくれたのだ。
彼の体とは反比例してアンドレ様の頭はすっきりしたようだ。
そして私に「済まない」と何度も謝った。
もう終わったことだから、また一から頑張りましょうと私は彼に言った。
アンドレ様の私を見る目は以前のように戻っていて、ベッドの中でも書物を読みあさっていた。
私は早速、食料品を運んできた、マリオにアレク様の薬草を頼んだ。
マリオとロメオは明日アレクのところに行くのでたくさんアレクから薬草ともらってきてくれると言った。
2,3日して薬草を持ってきてくれたマリオが、2人が伯爵邸に手伝いに行くのは今年一杯になったと言った。
なんでもアレクの伯爵家の寄り親の公爵家から人手を出す予定なので他領から来ているロメオとマリオの手伝いはいらなくなったとのことを、ジャムの作業場に山ぶどうを運んだ時、直接公爵様から言われたそうだ。
きっと公爵家とアレクの縁談が進行しているのであろう。
私は私の都合で振り回してしまったアレク様が幸せになってほしいと思った。
後僅かで年が明ける、そうしたら私とアレクの絆も切れる。
アンドレ様の家に来た時からこうなることは覚悟していたが、やはり寂しかった。
ここで私が落ち込みすべてを放棄して公爵領に戻れば、何のためにアレクから離れたのかわからなくなる。
今までアンドレ様は直樹の霊と戦いながら必死に勉強を続けていた。
来年のアカデミーの試験を何が何でもアンドレ様に受けてもらい、合格してもらわなくてはならない。
私が寂しそうな顔をしてるとアンドレ様はいつも私に(済まない)と謝ってくれるが私のほうこそ彼には申しわけないことをしたと思っている。
アンドレ様念願のアカデミーの合格まで2人の共同生活、頑張って乗り切って行こう。
王都では来年新しい国王の正式な戴冠式があるとの国民への発表でお祭り騒ぎである。
あのいけ好かない王子が国王になるなんて、この国の未来は暗い、と思った。




