アレクへの手紙、思い出に変わるまで、、、
私は静かに眠るアンドレ様のそばの机でアレクサンダーへの手紙を何度も書き直しながら手紙を書いた。
私は今、重病で精神を病んでいる元婚約者と住んでいること、そしてこの元婚約者を見捨てられないこと、
そしてもうアレクの元に戻る見込みがないこと、最後に私のことは忘れて立派な領主になってほしいとのことを書いた。
彼への幸せの祈る気持も書きたかったが、私には書けなかった。
悲しいことに彼への未練がそうさせていたのかもしれない。
私は以前のような長い手紙ではなく、短い手紙をマリオに託し、アレクに渡してくれるよう頼んだ。
2日後マリオは兄様の指示で公爵邸より私の荷物をすこし持ってきてくれた。
荷物の中にはアンナさんのパンや食料品の他私のベッドや母の形見の宝石のはいっている宝石箱、アニーさんが持って来てくれた今年店に出すドレス数点などが入っていた。
アンドレ様は体力を回復させるためほとんど寝ているが、私の作る食事は食べてくれるようになった。
私は散らかった部屋掃除をして、早く彼の体力が回復するよう、アレクの育てた薬草を乾燥させたものを食事に混ぜて彼の命を守るための食事を作った。
それ以外、何も考えられない、何も考えないでただただ、彼のそばで彼の体の回復だけを祈り毎日を続けていた。
私が前世の清貴君の思いを思い出に変えるように、私の心の中からアレクの思いが思い出に変わるまで、、、アンドレ様のそばで生きていかなくてはいけない自分がただただ悲しかった。




