↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢って誰ですか?  作者: 雪風花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/114

夏が終わる前に、、、

彼は悪魔だ。   もしかしたら、直樹が前世からアンドレの体に転移してきたのかもしれない。

私だって死んでビビアンの体に転移してきた。

もしそうだとしたら、私は夏休みが終わったら、彼に会いそのことを確かめなくてはならない。

もしアンドレが転移してきたなら、ロイドやアレクに被害が及ぶかもしれない。

考えるだけでも怖いことだが、そうでないことを祈りこの夏休みを過ごさなくてはいけない。

アレクは今王宮アカデミーに薬を提出して、結果待ちの状態になっている。

彼は生涯の仕事として王国アカデミーに勤めていたが、家の事情で伯爵家を継がなくてはならなくなった。

彼にとってアカデミーでの薬認証は大切なことだ。

彼にとって守らなくてはいけない伯爵領は大切な場所だ。

それはきっとわたしなんかより大切なものなのかもしれない。

私はアンドレからアレクを守りたい。

彼のことを考えると、私はこの夏休みが終わったら、伯爵家には、出入りできなくなるかもしれない。

だから、私にとってこの夏休みはとても貴重な時間にだと思った。

アレクのためになにかもう一つぐらい何かしてあげたい。

私はローズからローズの住んでいた子爵邸の庭や周りにはは甘くて美味しいオレンジの木があると聞いた。

彼女の兄はまるで子爵領の経営には無頓着だったようで、子爵領の住民は減りオレンジの木もそのまま手付かずになっていると聞いた。

以前から、何か美味しいジャムの材料を探していた私はその話を聞いて、兄様に現在の子爵領の領土はどうなっているのか? 聞いてみた。

兄様は子爵領は後一年足らずにフェルナンドが領主になるので、今は隣の伯爵家の預かりになっているが、前領主の不祥事で住民が激減しているので、ほぼ手付かずになっている、とのことだ。

もしフェルナンドがここの領主になれば、オレンジの取引がここで出来るかもしれない。

フェルナンド様も領主になれば、この子爵家の統治もアレクと同じで大変な思いをするかもしれない。

でも彼は今はとても熱心に領地経営を勉強しているので、侯爵家の助けがあれば、なんとかなるだろう。

私はフェルナンド様とローズを誘い子爵領にオレンジ狩りに行きたいと思った。

ローズにはアルフレッド様を誘ってみれば、と言っておいた。

その後アルフレッド様が子爵邸に行くとき馬車をだしてくれるとローズが嬉しそうに私に伝えてくれた。

私はラルクをオレンジ狩りに誘った。


当日、私もローズも今年に夏に売り出した既製のドレスを着ていた。

このドレスは若い婦人からはとても人気があり、シミーズドレスと呼ばれていたが、一部の厳格な夫人からは眉をしかめられた。

肩紐ドレスで少々男性には刺激が強いドレスだけど、肩に紐があるだけ、夜会のローブデコルテよりましだろう。 

2人はデザイン違いの肩紐ドレスを着ていたが私の方は片側がリボンになっていて、リボンがはらりととれるようになっている。

ちょっぴりアレクの反応が楽しみなドレスだ。 

夏の日差しの中だから、なんでもありすべて夏のせいだよね、私のせいではない、夏のせいだもん。

面白いことに、私たちのドレスに一番反応したのは、フェルナンド様だった。

顔を真っ赤にしてジロジロ、私達の肩のあたりを見ていた。

恋人のミモザ様に会えないから、ストレスが多少たまっていたのかもしれない。

アルフレッド様もアレクも何も言わなかったけど、チラチラ目線だけは私たちの肩のほうに来ているのを感じた。

私達はオレンジの木から実をもぎ、オレンジを味わった。

甘くて少し酸味もありジューシーなオレンジの味が口いっぱいに広がった。

フェルナンド様は将来自分が領主になる屋敷や庭を注意深く見て回っていた。

ローズとアルフレッド様はオレンジの木の下に座り仲良く2人でオレンジを食べていた。


アレクは私に手招きをして、たくさんのオレンジのなる木の下に私を誘った。

2人で夢中でオレンジ狩りをしていたが、不意に彼が私を抱いてキスしてきた。

私は無言でそれを受け入れた。    

このまま、時間が止まってくれたら良いのにと私は思った。


沢山のオレンジを持ち、私たちはとりあえずアレクの屋敷に行った。

ラルフ夫婦もオレンジを食べ、美味しいと言ってくれた。

オレンジの木はめったにないので、これでジャムを作れば、売れるだろう。

ジャムの作業場はすでに出来ているので、今はたくさんのジャムを作ることができる。

アレクの屋敷で、ワイワイいつものように皆で騒ぎながら、アレクの好きなミートパイを食べた。

アレクの屋敷はラルフ夫妻がきてくれて、いつもきちんとかたずいている。

もう、彼の食事の心配をすることがない。

私はいつまで、彼にこのパイを作ってあげられるんだろう、そう思うと少し寂しかった。


帰りの馬車の中で私はなんだか悲しくなり、ポロリと涙が目から流れた。

隣にいたローズには見られたような気がしたが、フェルナンド様もアルフレッド様にも見られてなかったので良かったと思った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。