私の過去
しばらくすると、私は兄様の書斎に呼ばれた。
私とアレクは兄様の書斎に2人でいこうとしたが、どういう訳かフェルナンドも一緒についてきた。
兄様の書斎にはアルフレッド様はすでにいなかった。
彼はお父様の執務室に仕事の話でいるらしい。
兄様は今回のことを私に謝ってくれた。
「この間、彼と久しぶりに会った時、ビビアンのことを自慢してしまって、どうやら彼に余計なことを話したようだ」と私に言った。
そう言えば私はアレクに元婚約者がいたことは、話していなかった。
過去に婚約者が2人もいたことも話していなかった。
兄様の話で私には過去2人の婚約者がいることは知っていたが、正直彼らのことは良く知らなかった。
一緒に来たフェルナンドは「つまり姉様に元婚約者がまた婚約の申し込みをしたのか」と兄様に聞いた。
兄様は「その通りだ」と答えた。
「つまりあの男を姉様は捨てたということですか」彼は質問を続けた。
アレクはただ、黙って聞いていた。
「いや、彼が婚約放棄してきた」と答えると「つまり姉様はあの男に弄ばれ捨てられたということですか」と怒りながら声をあらげた。
彼の質問がだんだんと過激化してきている。
私へのフォローがなってない。 いったい何のために書斎についてきたのか、はなはだ疑問だ。
これには兄様も隣で聞いていたアレクも顔が青くなった。
イヤイヤ、フェルナンドよ。弄ばれたわけではなくて、どちらかと言うと私が彼を弄んでいたのよ、と言いたかったがアレクがとなりにいるので、過激な発言はやめておいた。
兄様は注意深く「彼とビビアンは2年ほど婚約者として付き合ったが、性格がまるで合わなかった。
ビビアンの彼の前にいた婚約者も2年半ほど婚約していたが、やはり性格が合わなかったと向こうから婚約放棄してきた。
兄様は注意深く答えたのに、余計なことをまた話したような、、、
彼の前にいた婚約者の話はいらなかったような気がする。
「彼女は2度も婚約放棄されていたんですか」ここでアレクが初めて口を開いた。
「良かった。 彼等が婚約放棄してくれたから僕は彼女と婚約できたんだ」と可愛いことを言ってくれた。
アレクは研究バカでほとんど社交界に参加しなかったので、私の数々の悪役令嬢の評判は彼までは届かなかったらしい。
私自信、いきなり転生してきて、ナイフ投げや鞭使いなどは体が覚えていたが、自分のやっていたことはまるで覚えていない。
でも、最初に見た私のあのメーク、毒々しい衣装をみれば、なんとなく想像はつく。
先ほどはフェルナンドの勘違いな質問に一時どうなることかと思ったけど、アレクの言葉で救われた。
これからはフェルをどうでも王子ではなく勘違い王子と呼ぼう、と心の中できめた。
新年から思わぬことで私の過去と対面して、今年は大変な年になるかもと心の中に嫌な予感が走った。




