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悪役令嬢って誰ですか?  作者: 雪風花


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恋人達のクリスマス

この国にはクリスマスというものは存在しないらしい。

教会、修道院はあるが、どこにもキリスト様は存在しなかった。

教会は国がやっているものと各領でやっているものがあって神父、司教などはいるが、キリスト教とは違うもので、大方は庶民の救済の役割をしている。

修道院は私たちの考えている修道院とはちがい、問題のある各領土の貴族令嬢、それと婚期を逃し屋敷にいては都合の悪い女性の第二の住まい、貴族のために作られた建物で修道院は令嬢の親達の寄付でなりたっていた。


私が前世生きた世界ではクリスマスはもちろんキリスト教の信者の神聖な儀式の日であるが、キリスト教でなくても恋人や家族がケーキやプレゼントを贈るイベントの日になっていた。

とくに恋人達にとり、大切な日であって、私も彼と付き合い一年目にはクリスマスには2人でレストランで食事をして、プレゼントを交換し合い、2年目にはホテルのレストランでデナーをして、その時プロボーズをされた懐かしい思い出がある。

だから、今の世界ではクリスマスは意味のない日ではあるが、私としては聖なる日に、フェルナンドとジゼルに合わせたあげたかった。

私の店は婦人用マフラー、スカーフは飛ぶように売れ店を開いていない期間、店のロザリンさんにも手伝ってもらいスカーフを作っているが、品切れ状態が続いている。  

高値で売っている山ぶどうの蔓で編んだ籠も貴族の婦人中心に売れ行きが良い。

アレクの奥さんミモザさんが週に一度、店で編み方教室を開いているが、商品がもっと作れるようになれば、この子爵領の特産品にすることが出来る。

アレク伯爵家で作る山ぶどうのジャムやリンゴジャムも好評で時々遠方から馬車で買いに来る貴族が増えている。   

この店の評判を聞きつけたか、ついにアレクの伯爵領の寄り親の公爵領主の夫人がこの店に買い物に来るようになった。


店が忙しく急遽(きゅうきょ)商品を作り度々アレクの屋敷に訪れたがついに私は彼にお願いした。

フェルナンドとジゼルを聖なる日に合わせたいと、、、聖なる日ってなに? と彼に問われたが私は答えに詰まってしまった。

アレクに前世でのお泊りデートのことを話すこともできず、私にとっての聖なる日は性なる日になっちゃったんだけど、、、アレクに年末新年は店はさらに忙しくなりそうなので、今のうちに2人を合わせてあげたいと答えた。

アレクはそれには賛成してくれたんだけど、どうやってジゼルを修道院から連れ出そうかと、あれこれ2人で考えた。 

私達がフェルナンドを連れて3人で訪れ、また多額の寄付を追加して無理を言って4人で修道院で会うのもロマンチックではないし、私としては2人きりにしてあげたい。

この間、ジゼルに彼女と両親の関係を聞いた時、私が王子様と身分誓いの恋をして禁断の関係になったので王家の手前、私を勘当同然でここに連れてこられたと語った。

ジゼルの親達もジゼルに私とフェルナンドの婚約を告げた後、もう我が家とお前は関係がない、と彼女を見捨てたと言っていたので、もう彼女の親たちは2度と修道院に来ることはないだろう。

私はそこことを逆に使おうと思った。


私達は前日、修道院の近くの宿屋に次の日の予約を入れた。

そして、当日2人で修道院に行き、彼女の親から大量の寄付金を修道院に渡すよう預かっ来たと言い、大金をだした。

「彼女の母が病気になったので、見舞に来てほしいと依頼を受けたので、私たちは彼女を子爵領に送って行く、帰りは明日の午後、責任をもって私が預かる」とアレクは言った。

院長は彼女の親達が彼女に冷たいし、修道院へのお金もかなり出し渋っていたので、この申し出を少し怪しいとおもったが、目の前の大金と彼女の母も病気をして彼女に対する気持ちが変わったのだろうと思い、彼女の外出を了承した。


私達は彼女を修道院から連れ出し、近くにある旅館に彼女を連れて行った。

フェルナンドは旅館に入口で、私があげた彼女のプレゼント用の毛糸のマフラーを持ち待っていた。

2人は引き離され、2年半ぶりに再会して、強く抱き合った。

2人は私達にお礼を言い、私達が予約した旅館に消えていった。


「お嬢様、あれでよかったんですか?」 今回馭者を頼んだロメオが私に言った。

もちろん、お父様、お兄さまには内緒よ、ばれたら私が修道院行になるとロメオに口止めした。

まさか、兄様だってこんな片隅にある子爵領の旅館まで手はおよばないだろう。

それを聞いたアレクは僕のお嫁さんになる人が修道院行になったら困るとあせっていた。


それより、2人ともあのロマンチックな再会を見たでしょう、 感動的だったね。

私は困り顔の2人にこう言って笑った。

ちょうど良い具合に雪がちらついてきた、恋人たちの夜に相応しい聖なる夜になりそう。

私は悪役令嬢に相応しい高らかな笑い声で笑いたかったが、アレクが目の前にいるのでやめておいた。







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