秋の終わりに向けて
その後私は度々アレクの伯爵領にロメオとマリオを連れて訪れた。
山ぶどうの実がそろそろ終わりになるのでその間の仕事が大変であった。
葡萄の実をとりジャム作りに励んだ。
ラルフの奥様のミモザさんも働き者でラルフの屋敷は常にきれいに掃除されていた。
料理も取れたての野菜でスープを作ってくれたり、田舎料理も得意だ。
私もご馳走になったが、とても美味しかった。
私はアレクの食事の心配から解放され、皆で昼食に食べるアレクの好きな調理パンやデザートを持って行くだけで良くなった。
何しろ、私が提案したアンナさんと料理長の調理パンは最高に美味しいからね。
そんなある日私はローズを伴い私の伯爵領のお店に出かけた。
ミモザさんも一度に籠を置いているのでいくことにした。
馭者や商品を運んでもらうのは今回はマリオに頼んだ。
スカーフ、ポシェット、装飾品、籠にジャムの瓶を並べ、明日の開店に備えた。
開店時は混雑するのでアニーさんに来てもらいミモザさんにもお手伝いをお願いした。
スカーフはこれから寒くなるので必要になると思い、商家3人娘に頼み安めな白いシルクの生地を探してもらい染め物職人さんに無理を言いたくさん作ってもらった。
スカーフは夏以外は使えるが、他領でも人気が出てくると、そのうち類似品が出てくる可能性があるのでなるべく伯爵領で売っていると言うことを他の領にも広めたいと思う。
山ぶどうのジャムと籠は働いてくれてる店員さんの分を取りほぼ代金は伯爵領に納めるので、何かの足しにしてほしい。
最近アレクは伯爵領の領地をまわり、農業に力をいれている。
これはラルフにも農業のやりかたをいろいろ教えてもらい、伯爵領の野菜も彼のおかげで見事に育っていた。
アレクは畑の世話をラルフに任せ、自分は薬草栽培、薬作りとジャム作りに励んでいる。
甘い林檎の木が実る農家と提携して、冬はリンゴジャムを中心に作る予定だ。
その他視察中に小高い丘で話をきくと紫色の小さい実のブルーベリーらしき木を見つけたようだ。
実はもうほとんでなかったが、小鳥も好んで食べていたので、毒はないだろうと判断して食べたら甘酸っぱい味がしたので、ジャムに向いていると判断したらしい。
この国は砂糖はあるが、まだまだ庶民には高いのでなかなか手が出しづらいので、ジャムは皆によろこばれるだろう。
できれば、大量生産してもっと安く売りだしたいと思う。
それから、私の店の隣に既製服の店をオープンさせたいと思う。
この国では腕の良い仕立て屋が服を縫うようになっており、既製服の観念はまだ定着してないが、
とりあえず、女性用のブラウス、スカート、S.,Mと男性用シャツMとLを作ることにした。
これが定着すれば女性用の普段着のドレスも作りたい。
これには3人娘も是非自分の商会でも売りたいということだが。まずは私の店で売ってみて、他の商会で売る話はしばらく保留にしたいとお願いした。
先ずはこの領の中心ではあるがあまり人の流れのない街を何とか活気づけて、アレクが力を入れる農作物を他領に売りたいと思った。
冬にはぶどうの蔓を使った籠や買い物かごを作る教室をミモザさんにお願いして、この領の特産品づくりをしたいと思った。
ミモザさんはだんだんきれいになってきて、で今まで農業をしていたおばさんから、私達がサンプル用に作った既製服のブラウスとスカート、スカーフをつけると、華やかな街のマダム風になっていった。
ラルフもこれには、あらためて自分の妻に惚れ直したようだ。
冬が来るまでにたくさんのことをしなくてはいけないので忙しいが、私が転生して初めての来春を何とか明るく迎えたいと思った。




