どうでも王子との婚約式
私は城での婚約式の前はなるべくアレクのそばにいたかった・
ロメオもマリオもラルフとのブドウの作業を楽しみにしているので、お父様達が領地の視察に行っている間、毎日アレクの伯爵領を訪ねた。
ラルフさんの奥様はやはりラルフさんと一緒の働き者で、屋敷の掃除、ジャム作り、それから葡萄の蔓の籠作りととても喜んでやってくださった。
アレクに以前作ったブドウ籠が高値で売れたので、彼女に代金を渡したら、給金は夫が貰っているので、と辞退したようだが、私がせめてその半分でも貰ってほしい、これから貯金してほしいと頼んだら、代金の半分を受取ってくれた。
私のお店にブドウ籠のコーナーを作りそこに置くことに決めていると言うと、二人で仕事が終わると夜、編んでいる。
山ぶどうの実は下に垂れ下がり生えている場所が多いので、支えを作ることにしたが、その際ぶどうの蔓はたくさん取ることができるので、冬の間、たくさん編むことが出来るが、2人でするのは大変なので、私の店で編む人の募集をして、ラルフの奥様には講師をお願いして、山ぶどうの蔓で作った籠をジャム同様に伯爵領の特産物にしても良いと思った。
またラルフの奥様は裁縫も得意なので今度私の店に品物が入荷したら、一度連れていく約束をした。
王子のフェルナンドとの婚約式は偽りとは言え頭が痛いが、お父様と戻れば、城に行き婚約式を行わなくてはいけない。
婚約式のドレスは悪役令嬢に相応しい濃い紫色のドレスを侯爵領で注文した。
葡萄酒も今からではまにあわないので、兄が追加で頼んだ樽をもっていくことにした。
フェルナンドの住む家はお兄さまが見つけてくれ、婚約式がすめば、そこから執事見習いということで館に通ってもらうことにした。
お父様が屋敷に戻り、3人で王宮に召される日がきた。
馭者は兄の友人であり我が家の護衛長のカルロさんにたのんだ。
婚約式は私の付き添いには父と兄、王家からは王と第一王子だけであった。
私は婚約式の時一度も顔をあげなかった。 式の間、大理石の床を見つめていた。
婚約式は密かに行われ、王は第一王子に挨拶するよう私に言った。
挨拶なんて、何も言うことがなかったので、挨拶の恰好だけは取り、カーテシーを行った。
第一王子は「王族の血をひいていると聞いていたが、顔は美しいが悪役令嬢だけあって、厄介者の王子とはお似合いだと私に言ったが、おまえもな、と小さな声で呟いた。
第一王子も王族なので顔は美しい、でもお腹の中はほんと真っ黒だわ、と心の中で思った。
王はホッとした顔で私達を見て、これからは王族と関係ないところで生きていけとフェルナンドに言った。
王家との関係は切れても、私は彼が子爵領を継いだら、何年かは親として匿名でもよいから支援を何かしろしてほしい、と王に言った。
王に私の言葉が届いたかどうかはわからなかったが、どうしても彼のために言ってあげたかった。
私達は婚約式が済みそうそうに城をひけあげた。
馬車の中では皆無口であった。




