ラルフの妻ミモザ
私は傭兵として出稼ぎに出ている夫が戻ってきてくれて嬉しかった。
2人で耕す畑を探したが、畑は荒れ放題で農民のほとんどは逃げ出した後の畑がほとんどだった。
この地で畑で野菜を作っても生活できない現実がそこにはあった。
わたしは夫が送ってくれたお金でこの村の人ほど苦しい生活をしていたわけではないが、やはり12年も夫と離れ生活するのは、寂しかった。
子供も一人いたが、前の村の飢饉の時、栄養が足りなかったのか、僅か2歳で天に召されてしまった。
私は夫と2人ならどんな苦労も厭わないしここで畑を頑張ろうと、夫に言ったが、彼は傭兵時代の後輩が公爵家に雇われてとても恵まれた生活をしているとの、手紙をもらい彼も公爵領に何か仕事がないか探してくると言って家をでた。
しばらくすると、伯爵家で夫婦2人、雇われたので迎えに来てくれると夫から便りがあった。
こんな田舎の村の私が伯爵家に勤める、夢ではないかとドキドキしながら手紙を読んだ。
屋敷の領主様はまだ若く優しい人だと書いてあったが屋敷に行ったら、伯爵様のため主人と2人で頑張って働こうと思い、夫の迎えを心待ちにしていた。
そんなある日、夫は私を迎えに来てくれた。
家にある家財道具などの荷物は今までお世話になった人たちに渡した。
夫と2人で皆に挨拶して私は晴れ晴れした気持ちで乗合馬車に乗り、伯爵家に向かった。
途中、立派な宿に泊まり、私は驚いたがこれはすべて伯爵様の婚約者ビビアン様からの心使いだと言った。
まだ見ぬマリアン様に私は感謝した。
ラルフからのプレゼントのスカーフというものも、軽く暖かくこれもビビアン様達が作ったものだと聞き街の人は何てお洒落なんだろうと感心した。
馬車に乗ると私のスカーフをどこで買ったものかとたくさんの人に聞かれ、私もラルフも少し困った。
スカーフ止めも、とても素敵でこれも婚約者、ビビアンさんの店で扱っていると聞き、こんな素晴らしい人達のいる伯爵邸での仕事を見つけてきてくれた、夫が誇らしかった。
夫は自分の仕事の話しやブドウの酒の話など様々なことを私に話してくれた。
山ぶどうという実でジャムも作っていると言う。
私もジャム作りは得意なので、手伝うことが出来て嬉しいと思った。
のんびり馬車に揺られながら主人と結婚してからのことが走馬灯のように浮かび、だんだん伯爵領の伯爵邸に近づいてくると、これからの生活を思い描いた。




