再び王宮へ
私は公爵邸に戻り、父と兄に王宮でのことを話した。
別に王子が好きになったわけではなかったが、王に息子に対してのあまりへの仕打ちに彼が可哀そうになった。
お父様もお兄様もたびたびの社交界での私の失態、悪役令嬢と呼ばれても簡単には見捨てようとはしなかった。
公爵家の娘なら私のような悪役令嬢にでもなんでも、押し付けると言う国王のたんなる体裁を整えるだけの態度に腹がたった。
兄への王女に対しての婚約はたぶん女王がぶどうの酒ほしさに、兄に王女を押し付けたのだろう。
父も兄もブドウ酒は我が家の秘伝でそんなにたくさん作れるものでない、と女王に断りをいれたので、王家に兄を取り込みたかっただけなのかもしれない。
もう王家も後継ぎがきまり、末の王女だけが残っているだけで、この国も安泰なのかもしれないが、
私はお父様と兄様にとりあえず彼を我が家に受け入れることにした、と話した。
「我が家に受け入れるということは、お前は出戻り王子と婚約するのか?」との父の言葉に私は婚約式と言っても第一王子の手前するだけで、王宮で公にはしないようだし、王子を侯爵家で預かる婚約期間も少し短くしてもらったと私は言った。
私は王子にも心に思う恋人がいるらしいので私も彼と結婚する気はまるでないと2人に言った。
ただ、私は彼を王家から自由にしてあげたかった。
父と兄に今後の王子の処遇をネンミツに打ち合わせて、私たちは契約書を取り合わすため、次の日王宮に出向いた。
アレクには何から説明してよいのかわからず、私は彼に長い手紙を書いた。
近いうちにラルフ夫妻が伯爵家に来るので、歓迎会を兼ねてアレクに会って相談しようと思った。
王宮に着き王に面会した私たちは王子との偽婚約は1年半、その間公爵領の王子をとどめておくこと、
一年半たったら、王子と婚約解消をしてその後は王家は一切、我が公爵家と王子に関して干渉しないこと、年に一度ブドウ酒の樽を5樽王家に献上すること、王子には婚約解消後には子爵領か伯爵領を与え爵位をさずけることなどを取り決めた。
私はさらに、そういえば、最近取り潰しになった我が公爵領の寄り子の子爵家があります、もし王子がそこを引く継ぐなら、侯爵家も彼を応援します、でも王家からも侯爵家や私に何か見返りをください、と悪役令嬢らしく王に掛け合った。
王はしぶしぶと「公爵家には今より3割ほど王宮指定の貿易港と認め、わが王宮の輸入、輸出品をそちらに頼もう、婚約を了承してくれたそなたには1年半後、王都にある屋敷一軒分にそうとうする報奨金を渡そう」
家一軒は庭が広くて大きな豪邸にしてほしいと、頼んだが、何だたったそれだけ、、、と思って王を睨んで、何か言ってやろうと思ったが、兄が私を静止して王に「ありがたいお言葉です」と礼を言った。
王は嫡男のため、問題の息子を王宮から追い出せると、機嫌がよかった。
王子が下爵して侯爵家が引き受けたら、もう王子は王家とは一切かかわりがない、ので私達公爵が責任を持つように、との話だった。
私達は細かく契約書を作り、王家と密約を結び、さっそくどうでも王子の部屋に行き、王子の荷物は後で公爵家に送るよう頼んで、兄が彼を王宮から連れ出した。
どうでも王子はどうでももうよい、という様子で馬車の窓から今まででいた城を見ていた。
出戻り王子、あなたの人生はこれからだよ、私は王子を見ながら、そう心でつぶやいた。




