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悪役令嬢って誰ですか?  作者: 雪風花


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悪役令嬢 対 どうでも王子

とうとう王宮からの呼び出しが来た。

私はロメオとマリオを引き連れ堂々とお城の中を歩いた。

鞭を片手に持ち、私の行く手を阻むものはすべて鞭で打つような勢いで総裁について城の中を歩いて行った。

私の迫力にお城の召使たちは恐々頭を下げている。

私は護衛の2人を連れ王と王妃の前にたった。

王は私を見て、すこし顔をしかめたが、王妃はなぜか私を見て笑っている。

王は私に「折り入って話があるので、鞭をこちらに置きなさい」と言ってきたので、私は静かに鞭をおいた。

息子のことだが、「隣国が戻ってきて王宮でも手を焼いている。どこかの公爵領降格させて、結婚させたいので息子のことを引き受けてほしい」

私は黙って聞いていたが、我慢の限界だった。

私には婚約者がいます、婚約証明書もそちらにすでに出しています、兄にも婚約者がいます。   

おまけに兄は侯爵家の嫡男です、私の母は王家の血をひいています、これ以上王家の血を濃くすることは、国の滅亡を招きます。

まあ、国の滅亡は口から出まかせではあるが、ほんとうのことも話の中にあるので、迫力のある言葉で王を説得した。

王はそれでも「何とかそちらで息子を引き取ってくれんかのう」となかなか引き下がらない。

人を荷物のように、引き取れんわ、と思っていると、今まで黙っていた王妃が口を開いた。

「葡萄の酒がもって飲みたいんだけど、、、」 息子の話より酒の話に持って行ってくれたので、私は思わず今年はあと一樽ほどなら献上できます、来年の今頃には、5樽ほど献上します、と答えた。

婚約の話はうやむやにして逃げ切ろうと思ったが、王が形式だけでもよいから息子と婚約してほしい。

「2年婚約してくれたら白紙にしてくれてかまわないし、息子はそちらの侯爵家で自由に扱ってかまわない。   息子は他国で乱暴を働き失礼なことをした。   もう他国に婿として送ることもできず、次の国王の後継者も決まり、結婚を控えた第一王子とも非常に仲が悪い。   このままこの城で腐らせることも親としては忍びない」

親として忍びないと言うより、親として体裁が悪いだけでしょ、と思ったが、私は婚約期間を一年にしてほしいとお願いしたが、せめて1年半にしてほしいと泣きつかれた。

私は悪役令嬢そのものの憎々しい顔で彼らを睨んだ。

「政治の駒として使われる王子も気の毒だけど、いくら偽婚約と言っても2重婚約はいただけない。

直接出戻り王子とお話します、と私が言うと王妃は嬉しそうに「来年の年末に新しい国王が誕生することを国民に披露するので、約束の葡萄酒の5樽をあと5樽追加してくれ」と私に言ってきた。

はぁ。 

来年の暮れにある国民への次期王のお披露目と葡萄酒は何の関係があるのでしょうか?王妃この人お酒のことしか話さない、出戻り王子はどうでもよいのか? と思ってしまった。


「隣の部屋で待たせているので、王子に会って話し合ってほしい」と王が言うので、鞭を持ってロメオとマリオには部屋の外に控えさせ私は王子のいる部屋に入った。


王子は不貞腐れた態度でソファに寝そべっていた。

私を見て「お前が悪名高い悪徳令嬢か? 趣味の悪い服を着てるな。  さっさとその趣味の悪い服を脱げ」と私に命令した。

何をこいつは言っているのか? 私は我が耳を疑った。

自分こそどこにも行き場がない出戻り王子のくせに態度がでかい、と鞭で床を叩き大声で言ってやった。

大体、私のことを知りもしないで、良く婚約なんてしようとするわね、と私が言うと、「どうでも、いいのさ」と答えがかえってきた。

彼は顔を私に向けた、黄金の目を曇らせ顔には生気がまるでなかった。

彼は王子としていろいろこの国に背負わされて、今にもおし潰れそうになっていた。

私は彼に少し同情じてしまった、そして彼の話を聞こうと思った。

彼は側室の子供で第3皇子だった。   第一王子、第二王子のいわゆるスペアであった。

公爵令嬢と結婚して第一王子が次期国王に決まった以上、国王のスペアの第二王子もいる現在、この国に出戻ってきた彼の存在は城のお荷物そのものだ。


彼は女性が王である隣国の一つに政略結婚で出されたが、その生活は屈辱そのものだったようだ。

女王には正式な婿がいて、彼は第二の夫となったが、反抗的だったので、すぐに離宮に追いやられ、彼の存在はほとんどその国では忘れられていた。  

すでに他国から第三の夫が政略結婚で送られ、彼はその席に第二の夫として参列したが、乱暴を働いた。

彼にはその国から逃れるチャンスはそれしかなかったようだ。

我が国の隣国には大きな力のあるアマゾネス王国が存在するようだ。

彼はあっさり婚姻を解かれ、自分の国に戻されたが、もはや彼にはこの国で居場所がなかったのである。

彼は一通り自分の話をして「だからどうでもいいのさ、政略結婚で悪役令嬢の夫になっても、もうどうでもいいのさ、どうでも、、」  そんな、どうでもいい、どうでもいいと私の結婚に連発されても気分が悪い、結婚はどうでも良くてするものではない。

よくよく聞くと彼には以前愛を誓った人がいたようだ。

彼女は子爵家の令嬢で身分が低いと王に反対され、子爵令嬢は修道院に入れられ、その後王子は他国で政略結婚をさせられたらしい。

政略結婚は国の安定のため王子としての役目なので仕方のない事なのかもしれないが、異世界から転生してきた私には納得がいかなかった。    この哀れな王子を何とか救ってあげたいと思った。 

私の婚約話は保留にして、家族や今の婚約者アレク様に相談しないといけない。

私は王に王子と話し合ったが、この婚約のことをもう一度父と兄に相談してみると言って、王宮を出た。

屋敷に戻る馬車の中で、今回のことではぐったり疲れてしまった。


アレクには何と話そう、偽婚約とは言え、彼は納得してくれるであろうか?

公爵家が近づくにつれ、だんだん心が重くなってきた。





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