アレクとラルフ
侯爵家に着くとさっそく庭で薬草の手入れをしているアレクに遭遇した。
ラルフはすぐ薬草に興味を示し挨拶もそこそこに薬草の土を触って土の感触を確かめていた。
野菜畑にも行き植えてある野菜を嬉しそうに見ていた。
私たちは屋敷の中に入った。 私はさっそく厨房に行きお茶を入れていると、ラルクも手伝うと言う。
今日はここの領主のアレクサンダーといろいろ話をしてください、お茶は私が入れますと言った。
お茶を飲みながら話すとやはりラルクは有能で帳簿も少し見てくれるという。
これなら執事の仕事もできるかもしれない。
この屋敷に妻と2人で住み、屋敷のために働くと言う彼をアレクも気に入ってくれている。
樽を3つ馬車からおろし、私たちはブドウの林にさっそく馬車ででかけた。
馬車で走っているとブドウの林の近くまで来ると、土が痩せ、砂の少々混じった土になってきた。
ここは隣の領とも近いがこの土地は農業に向かない土地なので、この枯れた森に入る人はいないらしい。
百年以上経っているのか? たわわに実ったブドウの木があった。
ラルフはぶどうの蔓を引っ張りながら上手にブドウをとっていった。
この蔓は籠などを作れるかもしれないとラルクがいったので、アレクは細くて長い蔓を5本ぐらい持って帰ることにしようと言った。
皆でブドウの収穫をしたので、たくさんのブドウを短期間でとっておおきな瓶にいれてしまった。
他の木に蔓が絡みつきブドウがなっているものもあり、まさに林と言うよりブドウの森だ。
絡みつかれた木は皆元気がなく、葉は枯れたものが多いが、山ぶどうとぶどうの間の実のようだがブドウの木は日当たりの良い場所のほうが育ちが良いので、棚を作るのは無理だが、この林も少し手入れしたほうが良さそうだ。
3人の元傭兵さん達は楽しそうにブドウを収穫してる。
昼食は馬車にあるので、ここで昼食を食べることにすると言うと馬車から昼食を手際よくおろして
アッと言う間に昼食の支度をしてしまった。
瓶に入れた飲み物を持ってきたので、コップに継ぎ皆好きなパンを食べ始めた。
ロメオとマリオは調理パンになれているので、すごいスピードでたべているが、ラルフは一口食べては{うまい}と言うのでラルフとアレクの分はわけてあげた。
「ラルフさん、なんだか野営を思い出しますね」と言うとロメオは「あの時は食べるものがなくて、蛇を焼いて食べましたね」と言い皆で笑い合った。
ちいさなミートパイもたくさん焼いたから、たくさん食べてくださいね、と私は勧めた。
ミートパイはアレクも好物なので、3人に争うようにパクパク食べている。
領主がみっともない、と思ったけど、元傭兵さん3人にかかれば、ミートパイもあっという間に消えていく。
ブドウの収穫を終え、昼食を食べ、私たちは伯爵邸に馬車で戻った。
屋敷帰ると庭で大きな瓶を洗い、その中でブドウを洗った。
それから前回と同じように瓶を熱湯消毒をした。
瓶は以前は風呂の湯を沸かすために使っていたが、しばらく使用してなかったので良く消毒したほうがよい。
ラルフはしばらく見ていたが、薪を集め、おなじように瓶を洗い、水を入れて熱湯消毒し始めた。
私の護衛さん達、剣は強くておまけに有能、仕事も早く優秀、と思った。
湯をすこし冷ましている間に私が作ったフルーツパイをおやつに食べようと思う。
今日はラルフさんの歓迎会だからね。
皆でいろいろなことを話した。 ブドウも皆で食べ、やはり美味しいと好評だった。
ラルフさんの村では冬は木の蔓で籠やいろいろな物を作っていたようだ。
ブドウを運ぶ木枠のある大きな籠を作ってくれるそうだ。
どうやらブドウの蔓は籠を作るのに向いているようだ。
ビール樽をみたけど、上蓋をはずしここからブドウを入れればよいのかな?
やはり熱湯で洗い消毒しないといけないのかな? 企業秘密かな?
良く考えたらこれだけの人数でワイン作りをしなくてはいけないので、アルカポネは難しい。
やはくもお父様、お兄さまのアルカポネ計画は挫折してしまった。
初めて作るワインなので味も確かめなくてはいけないし、今回は身内だけで楽しむようになるのかな?
この実でジャムを作ったほうが簡単で効率が良いかもしれない。
アレクも大きな瓶で薬草を煮詰めたりしていたようで、煮詰めるほうが得意?かもしれない。
歓迎会のパイパーティが終わると消毒した瓶から湯をラルフさんの提案で風呂の浴槽に移した。
今は少し熱いが風呂に入る頃にはちょうど良い温度になっているだろう。
いままでアレクは風呂はどうしていたのだろう?一人で瓶に湯を沸かしはいっていたのかな?
体に良い爽やかな薬草を湯にいれて、私用に沐浴剤でも作ろうかな?などと思いながら、綺麗になった瓶にブドウを房から外し入れ、きれいに洗った手でブドウの粒をつぶした。
大きな傭兵さん達の手でブドウはあっさりとつぶれた。
その後、ラルフさんは、ロメオとマリオに指示をだし、部屋の動線を整えるべくあちこち家具を動かし、掃除をしている。
6つの瓶はきれいに部屋に収まった。
有能なアレクの片腕になってくれそうだ。
彼の奥様を迎えるため、家財道具はこちらでそろえよう、私がそう言うとラルフは嬉しそうに頭をさげた。
瓶に入ったブドウを毎日、3回ほどかき混ぜることをラルフさんに頼み、私たちはたくさんのブドウをお土産にして馬車で館に戻った。
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