商家3人娘と伯爵令嬢
今日は私の商会のお店でだす、商品の打ち合わせの日だ。
ポシェットはすでに3人娘の店でも売っているので、アニーが自分の店の商品をただ同然で持って来てくれたのでそちらを使い午後から作業をする。
アニーとマーガレットが先に来たので、
洒落た繊細なレースのついた古い服は6着ほどあったので、そちらはレースだけを 使うことにした。
レイナのいる子爵領はここから一番遠いので午後の到着になりそうだ。
今日は父と兄はロメオと家の護衛2人を連れて、朝から、王都にある城に出向いている。
子爵領のレイナさんが来るまで、お茶の後、ドレスを解く作業をすることにした。
ドレスは50着ほどあるが、これで100個以上のポシェットが作れる。
この時代、まだミシンはなかったので、すべて手縫いだが、皆手先が器用なのか、美しく素早くポシェットを作っていく。
型は古いが生地が比較的新しいものから、作っていく予定なので、少しドレスを分けておいた。
ドレスを解いていると、子爵領のレイナが我が屋敷に到着した。
私たちは簡単な昼食をとり、その時ドレスの肩に掛ける四角いスカーフを私は提案した。
アニーさんが見本のスカーフを作ってくれていたので、皆にみせたが、好評だったので、たくさん作ることにした。 生地のことを話すと伯爵領のマーガレットが「店に父が以前大量に受注して、売れ残っているシルクの生地があると」と皆に話してくれた。
ただ、その生地はすこし長く倉庫に眠っていたので、すこし黄ばんでしまって、使い物にならないと話した。
その話に公爵領のアニーが自分の領には染め物職人がいるので、シルクを優しい色に染めてもらったらよいと言った。
色は3色、淡い黄緑色の色と肌なじみの良いサーモンピンク、クリーム色に染めてもらうことに決定した。
一応シルクなのでただというわけにはいかないが、倉庫の奥に眠っていた商品なので、とても安くしてもらえるよう父と交渉してみるとマーガレットは言った。
シルクのスカーフの布は彼女達にまかせ、私は彼女たちにすこしお小遣いを渡した。
シルクもこの間売った宝石にお金で高級品を買うつもりだったが、なんだか安く仕入れられそうだ。
皆お小遣いを私からもらえ、ワチャワチャしているところに伯爵令嬢が到着した。
彼女はスカーフ止めを5点ほど持って来てくれた。 どれも繊細な細工が施され、素晴らしい出来だった。 いずれも材料は銅のようなもとと銀のようなもので出来ていて銅のような素材も銀のような素材も、ピカピカに光りまるで金と銀のように輝いていた。
「きれい」皆一斉に声をあげた。 レイナはこれとお揃いの髪飾りを付けたいというので、すこし髪飾りもこのデザインでお願いした。
費用は私が出すが、伯略令嬢は伯爵領では、金属に細かい細工をする職人がたくさんいて、つい先日引退した職人さんに声をかけたら、仕事が出来ると喜んでくれているらしい。
さっそく5つのデザインの物を金、銀5個づつ、髪飾りを2個づつ、とりあえず、70個注文することにした。
職人さん一人の手間代と材料費だけなので、安価で店に置けるのでとても良かった。
職人さんには、あまり納期をせかすことなく、アルバイト感覚で仕事をしてほしいと思った。
アニーの作ってきたスカーフにスカーフ止めをあわせると、とてもエレガントで美しい。
スカーフを身に着けたドレス姿の令嬢を皆で想像していた。
これを売り出すまでは隠密に、、、行動するよう、私は皆に念をおした。
伯爵令嬢は今日も兄のためにたくさんのお菓子を作って持って来てくれた。
あいにく兄は今日は王都に行って、タウンハウスに泊まるので今日は逢えないけど、ビスケットは少し取っておくからね。
私は彼女の作ってお菓子をお茶と一緒に出し、楽しくお菓子を食べた。
その時、私に婚約者が出来たことを皆に話した。 皆はたいそう喜んでくれたので、4年間の契約婚約だと言う話は出来なかった。
その後、ポシェットづくりに集中したが、ポシェットは皆で合わせても20個ほどしか作れなかった。
残りは皆にドレスをもっていってもらい、自宅で作ってもらうことにした。
レースのついたポシェットはアニーとマーガレットが引き受けてくれた。
レースが付いていない物は果物や花のワンポイント刺繍は、ローズと伯爵令嬢にお願いした。
打合せも終わり、3人娘と伯爵令嬢は次の日の約束をして、我が家を去っていった。
ローズのお母様もこちらへきてお医者さまみてもらい、栄養のある物を食べているので、とても元気になってきた。
まだ彼女たちの家のこととか、兄のことは後回しにしてしまっているが、もう少しローズのお母様が回復してからにしようと思う。
私に無礼だった令嬢は、自宅謹慎にしたが、ローズの兄には脅しただけで、まだあれからなにもしてない。
子爵家は、兄のおこなった事業が次々失敗して、かなり経済的に困っている状態なのに婚約者を家にいれ、母親の面倒も見ず、妹の稼ぎをあてにしている状態なので、我が家が動かなくても、いずれ取り壊しになるだろう、そう思っていた。




