ラインハルトの刑罰、フェルナンド様とジゼルさん
フェルナンド様は王宮から3日後に戻ってきた。
まだすこし元気がないが、はやく公爵領に戻りジゼルさんに会いたかったようだ。
王様は彼が王宮にいる間、何度か様子を見に来たみたいだ。
王妃とラインハルトの手前フェルナンド様にあまり関わらなかったようだがやはり彼にも父親の顔があったようだ。
ラインハルトが貴族牢に入れられ、王妃はすっかり元気をなくしたようだが、彼は今、以前フェルナンド様が友好のために送られた、アマゾネス大国に政略結婚が決まったようだ。
やはり王家の秘宝を王の許可なく勝手に使ったという罪は重く、仮に王が許可したと言って罪を軽くして王宮を追放しても、公爵の娘やフェルナンドを誘拐して使用したことは私の側近の護衛兵やラインハルトの護衛兵は知っているので、中途半端な罰は適応できないのだ。
またこの秘宝は歴代の王が代々引き継ぐもので、その秘宝が今回の騒ぎで一部の者ではあるが、自分の代で明らかになってしまったことは国王にとっては、問題だったようだ。
そんな折、再びあちらの国からまた王子の一人の一人を第3夫にするので友好のため送るよう依頼があった。
王は次期国王を第二王子のフィリップに継がせるので、彼に危害が及ばぬよう、この際ラインハルトをこの国から出し、再び帰国は不可ということにしたようだ。
ラインハルトはこの罰を牢の中で聞き、泣いていたが、毎年、かの国に何の贈り物をするか悩んでいたので、友好のため女王に王室の者を送るということはもともと義弟を苦しめるため自分が提案したことだった。
そのことが自分にはね帰ってきたのだと思い、この国には私の後ろ盾になってくれるものはもう誰もいなく、一生離宮に閉じ込めるより、そのほうが、ましなのではないかと思うようになった。
私はこのラインハルトの罰につき、アマゾネス大国の女王は何処まで好色なの、と思ったが、私も彼を2度と見たくないので、素晴らしい決定だと思った。
フェルナンド様は公爵家に戻ってから、ジゼル様に「僕たちの愛を守った」と話していたが、私には彼がただ寝てただけのように見えたけどね。
ジゼル様の伯爵家での教育が済めば、フェルナンド様と結婚式の予定があるので、私は2人を守れて満足している。
アレクと私の心も守れ嬉しかったが、アレクの衝撃的告白は少し驚いた。
身分の高い貴族の男子にはそう言った女性を使った教育が組み込まれているとカリナ様に以前ガールズトークで聞いていたが、私は兄様を見て、絶対ないと思っていた。
まあ、お父様と母様は相思相愛の恋愛結婚だったみたいだから、子供にそう言った教育は施さなかった可能性がある。
貴族というのは、計略結婚で領土の安泰にさせたり、子孫を残すなど、面倒なことが多そうだ。
でも今回のアレクサンダーのベッドでの対応をみたら、彼は何かしら教育を受けているのかと思った。
まさか彼が作った媚薬が原因だとは思っていなかったが、私も夢中だったので、そんなことはどうでもよかった。
アレクは悩みながらもそのことを私に話してくれたが、そんなこと黙って秘密にしておけば良いのに彼が真面目な人なんだなぁ、とあらためて思った。
私は異世界での清貴のことは黙っているよ。
ビビアンの体に転移してアンドレ様といろいろあったことも黙っているし、私の方が彼より秘密が多い。
それに違う世界から転生してきたという重大なことを彼にまだ話していない。
このことは何かの機会に彼に話そうかと思うが、そのことは、お父様、兄様が知っていればよいような気がする。
異世界のことを彼にいろいろ聞かれるのも、少し抵抗がある。
フェルナンド様とジゼルさんが結婚式を挙げたら、私とアレクサンダーは話し合い平民になることを決めている。
私もアレクサンダーも貴族の生活はむいてない。
身勝手かもしれないが、この世界でもっとのびのびと暮らしたい。
アレクサンダーの伯爵領はお父様が伯爵の称号を王様からもらったので、エランドール家と縁の深いお父様、お兄さまの信用できる友人、知人の中から選んでも良いと思った。
平民になることを前提に私とアレクはいろいろ準備や計画をすることにした。
アレクサンダーは王命で王宮アカデミーでの存在がますます大きくなったが、彼は休みには自分の領土をまわり熱心に農地改革に取り組んでいる。
私の店も街の住民達にも定着し,他領からたくさんの人を呼んで、その人達目当てに新しい店も出来、街は次第に活気がでてきた。
彼の新しい研究室は現在アカデミーに建設中だが、その研究室には彼は引き続き野草の研究や新しい野菜の研究をするつもりだ。
ただ、ブドウの林だけは、何とか私達で守りたいのでできれば気心の知れたフェルナンド様に伯爵領を任せたいと思っていた。
私達が爵位を辞退して平民になっても私の弟分のフェルナンド様が領土を引き受けてくれれば、何の問題もない。
私達はこのことを、お父様とお兄様に早めに相談することにした。




