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悪役令嬢って誰ですか?  作者: 雪風花


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公爵家の戸惑いと怒り、ビビアンとフェルナンドの愛の危機

その頃公爵家は自分の領の街で消えたビビアンとフェルナンドの行方を必死に探していた。

ジュースを買って馬車に戻る僅かな時間に彼等は跡かたなく消えていた。

馬車でしばらく待っていたロメオはジュースを売ってる店に行き彼等の消息を聞いたが、手掛かりはなかった。 

彼は護衛として責任を感じ港街中を駆け回り彼等の行方を捜したが、どこにも手掛かりがなかった。


あたりが暗くなり屋敷に戻り2人が行方不明になったことを報告すると、屋敷中が心配モードになった。


アレクはビビアンとフェルナンドの安否が心配でならなかった。

そう言えば、庭の警備の途中「最近、屋敷の門の外でこちらをうかがうようにしている黒い馬車を何度か見かけた」と公爵家の護衛隊長が言った。

不審に思ったが屋敷の敷地の外だったし、私の思い違いかもしれないと思い不問にふしたが、何か関係があったのかもしれないと、アシュレイに報告した。

馬車には家紋はなかったが、頑丈でかなり高級なもので今朝も門の外で見かけたと公爵の警備隊長はアシュレイに言った。

明日もまた黒い馬車が公爵家をうかがうような様子があれば、門の外に出て、少し無礼はあると思うが、どこの家の者か問いただそうとロメオ、マリオ以下公爵家のすべての護衛に命令を下した。

次の日早朝から護衛の一団は公爵家の門の周りに張り付いた。

その中にビビアンを心配しているアシュレイもアレクサンダーもラルフもいた。

彼等は辛抱強く門のまわりを見回った。

やがて黒い馬車が現れた、彼等は馬車から出てやはり屋敷の庭をうかがうような様子をしていたので、護衛の皆は彼等が馬車に乗り込むところを取り押さえた。

取り押さえられた者達は、問いただしにも何も答えず、黙って下を向くばかりだった。

アレクサンダーが馬車の中から小さな箱を見つけ出した、箱にはロイヤル、王宮の印があった。

その箱をもって、捕まえた人達に問うと、仲間の一人が、自分達は王宮の影になったばかりで、任務のため公爵家の動きを見張るようにとラインハルト様にたのまれただけで、公爵家に害をなすことは何もしていないとアシュレイに言った。


アシュレイは父であるエドモンドにこのことを報告した。

なぜ、王室は彼等を誘拐したのか? エドモンドは考えたが何もわからなかった。

王はこのことを知っているのか?すべては謎であったが、この事件と王宮には深いかかわりがあることを知り、直ちに国王に内密に会おうと思い、捕まえた中でいかにも気が弱そうな影に国王への連絡を頼み公爵家の紋章入りの正式な手紙を書き影に託した。

やがて国王から連絡があり、秘密の通路を使い、真夜中に会おうと連絡してきた。


そんなことは知らないビビアンは暗い部屋で朝を迎えた。

私はアレク様を愛している、でもなぜ愛しているかはよくわからない。

私の周りにいるアルフレッド様もアンドレ様もフェルナンド様も良い男だし、以前の私の考えならアレク様が彼等より条件が良いかと思うとそれもない。

でも私は前世でもう懲りたのだ。  いい加減に人を好きになり、自分の都合で相手を振り回し、やっと心から愛せる人が現れたのに、以前付き合っていた男に殺されてしまった。

そして転生してきた今、初めて私が好きになった人を生涯愛そうと決めたのだ。

私にはその選択しかできない、いくら次期国王が認めても第三王子のフェルナンド様とここで暮らすことはできない。

私は決意をかためていたが、朝から私の部屋にラインハルトが訪れ、私に返答を求めてきた。

私の答えに「お前はフェルナンドがどうなろうとかまわないのか? お前がフェルナンドと一緒にならないなら、彼にはもっと強い注射を打たないといけない、彼の体力はかなり消耗しているので、今度注射を打てば、命の保証はない」との彼の言葉に私は何も言えなくなった。

「どうしてもフェルナンドとここで暮らすのが嫌なら、私の側妃としてここで暮らす方法もある」

その方法が一番嫌だ、気持ち悪い、大好きなアレクでも伯爵夫人の地位にしり込みしているのに、側妃なんてとんでもない。 

側妃がやがて王妃になり、顔だけ良い腹黒男と幸せに暮らすおとぎ話はいらない。

まだフェルナンド様と暮らす方が良い、と彼に言ってやった。

私はフェルナンド様と会い、相談したいのでフェルナンド様に会わせてほしいとラインハルトにお願いした。

私は隣の部屋に行きフェルナンド様にあった。

彼は苦しそうにとぎれとぎれ、私の名とジゼルさんの名を小さな声で呼び続けていた。

このままでは彼はここで死んでしまう、私は無事彼をジゼルさんに返してあげたい。

私は覚悟を決めてこの城で彼と一緒に生活しますとラインハルトに言った。

彼と一緒にここで生活して、私が彼の世話をして元気になったら2人で城から逃げる計画にした。

私の言葉にでラインハルトは微笑み、ではさっそく儀式をはじめようと言ってきた。

儀式、なんの? 嫌な予感が体中をはしった。

彼はフェルナンド様の体に剣を突きつけ、私に黄金の水を飲めという。

「この水は王家に伝わる秘伝の媚薬だ、子が出来ない王や王妃が飲む、王家の宝物だ。   これを飲めばフェルナンドに似た金髪でお前に似た美しい目を持つ子供が生まれるだろう」と言った。

そんなこと言われても、こんな弱り切ったフェルナンド様を相手に子供なんかできるはずがない、と私は思ったが、フェルナンド様の命が風前の灯の今、私には選択肢は残されていない。

私の魂は前世から来た、こんな黄金の媚薬なんかには負けないと一機に黄金水を泡った。

やがて、大きなベッドにぐったりしたフェルナンド様の隣に私は寝かされたが、私はすぐベッドを降りた。

「この王家の秘宝、黄金水にいつまで、お前の体がもつかな?」ラインハルトは笑いながら私達を見て、部屋を去って行った。




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