4.白銀のローブ
次に、ローブを受け取りに向かう。
「ローブもどうなっているかなー?」
カヨの足取りは軽く、るんるんと音楽が聞こえそうなほどだ。
「きっとカヨに似合う、良いものに仕上がっているわよ」
「セイカも手伝ってくれたからね」
セイカも楽しみで、2人とも少し早く歩いた。
「セイカ、セイカ! 見えてきたよ、お店」
「あら、フェミンさんもいるわね」
昨日、注文を受けてくれた彼女だ。
店の前に立っていたフェミンは2人に気づいたようで、頭を下げた。
「こんにちは。お待ちしていました」
「こんにちは。あの、ローブどうなりましたか」
「もう準備できています。こちらへどうぞ」
昨日とはまた違う部屋へ通された。
「こちらがご注文のローブです」
壁に掛けられた白いローブ。内側は碧色で、袖と裾に金で刺繍がされている。この意匠はセイカのコートと同じだ。
「着てみますか」
「熟練の魔法士のように見えてとても良いわよ」
ローブを羽織ったカヨは、まだ手に持っている杖と相まって、まさに魔法士と言うべき出で立ちになった。セイカの言う通り歴戦の魔法士の様だ。
「そうかな? ありがとう!」
心から褒めてくれているのがわかって、少し照れた。でもそれより、嬉しさのほうが勝った。
あれだけ時間をかけて、とても悩んで、納得のいくものにした。だから、このローブは体によくなじみ、動きを邪魔しないで、むしろ彼女をよく守ってくれる。
「この度は当店をご利用いただき、ありがとうございました。今後ともご贔屓にお願いします」
フェミンの深いお辞儀に見送られて、店を出る。
「これで装備も全て揃ったし、いよいよ旅の始まりよ!」
「おー!」
握った手を突きだして、元気よく声も上げた。
「そういえば、セイカって今までどんなところを旅してたの?」
旅をしていたとは聞いたが、どこをとは詳しく聞いていなかった。
「あまり色々とは行ってないわよ。1つのところに半年ぐらいいたから。そうね、ほとんど大陸中央で、ルミーノ王国とここと、あとは魔法都市や要塞都市にも行ったわね」
初めて聞く都市の名前に、カヨは瞳をきらきらとさせる。
「1番良かったところは?」
「1番良かったところは……豊穣の都ね」
何やら美味しそうな響きがする。
「穀物や野菜、果物がたくさん育つのよ。それにほかの国からもたくさんのものが集まって、食事がとてもおいしかったわ」
「いきたい……」
「もちろん、行くわよ! もっともっと多くのところへ一緒に行きましょう」
東西南北。2人で行けば、どんなところだってきっといい旅路になるだろう。まだ見ぬ国に思いを馳せて、また一歩踏み出した。
ところで、
「何々都市って言ってたけど、名前はないの?」
「あれは通称で、ちゃんと名前はあるわよ」
ギヴィス独立都市編完結です。ここまでお読みいただきありがとうございます!
これで装備が全て揃ったので、次の編からいよいよ旅の始まりです!
登場人物が少ないので、次編完結後に合わせて紹介します
誠に勝手ながら、諸事情により連載を休止させていただきます。詳細は活動報告をご覧ください




