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世界をめぐる誓いー紅碧の邂逅ー  作者: Nodoka
1.ルミーノ王国編
21/23

20.魔法

前話で以下の改稿を行いました。内容の変更はありません

・一部改行できていなかったところの改行

「カヨ、この3ケ月よく頑張ったわね」

「ありがとう、セイカ!」

「でも、ここまですぐに上達するとは思っていなかったわ」

「セイカの教え方が上手だからだよ」


 なぜこうなっているのかは、3ヶ月前のあの日、カヨが誘拐された日まで遡ることになる。




❀❀❀




「セイカ、わたし強くなる」

「急にどうしたの?」

「わたしがあの人たちをやっつける力がなかったから、今回こことが起こったと思うの。だから、強くなって、今度はわたしがセイカを助けるね!」


 軽い調子ではなく、強く本気で思っているその様子に、


「私が貴女を鍛えてあげるわ」


 持てる全てを授けようと思った。




「まずは、魔法を叩き込むわよ」


 剣ではないのは、筋力がなく、長く持つことができなかったからだ。

 また、属性判定の結果、カヨの属性は炎だとわかった。


「私の属性は氷だから、炎とは相性が良いわよ」

「本当!?」

「でも、それは貴女がある程度魔法を使えるようになったら、の話よ」


 そして撃ち続けた結果、ほぼ全ての初級魔法は無詠唱で発動できるようになった。中級はいくつかだが、詠唱省略にまで扱えるようになった。


「魔法は発動速度がとても大切よ。だから、詠唱より詠唱省略、詠唱省略より無詠唱になるのよ。ここまではわかったかしら?」

「うん! 無詠唱で撃てるようになればいいんだよね!」




 次に実地練習。

 セイカは普段、剣に氷魔法を付与して魔物を倒す。だが今回は、


「魔法だけでするから、よく見ておいてね」


 丁度、手ごろな大きさのうさぎ型の魔物がいる。

 だがしかし、冷気を察知した瞬間には凍りついていた。


「今のはどうやったの? 魔法式もなかったよ?」

「これは、私の魔力をぶつけただけよ。だから、厳密には魔法ではないのよ」

「そうなんだ! じゃあ、魔力が凍ったのはどうしてなの?」

「私の属性が氷だからよ。魔力が体内にあるときは、属性に縛られないの。だけど、体外に出るときに、自身の属性に変質するのよ」


 そこでカヨは1つの仮説を立てる。


「もしかして、詠唱するのは、属性のない魔力を属性のある魔法にするため?」

「ええ、そうよ。前も言ったけれど、詠唱の起句では体内の魔力を活性化させて、承句は何の魔法なのかはっきりとさせて、転句は魔法式を展開、結句は指向性を持たせるのよ」

「だから、詠唱省略では、転句と結句だけの詠唱で発動できる、でしょ?」

「よく覚えているわね。ついでに言うと、結句だけでも発動するのよ。――氷球(ヴァラファボ)


 セイカが結句のみを詠唱すると、近くの木に氷の球がぶつかった。


「すごい! 最初に光ったのは何?」

「魔法式よ。魔法式の展開から消えるまでが短いから、光っただけのように見えたのだと思うわ」


 セイカのその説明に、カヨは強く好奇心をくすぐられる。


「――炎球(バラフィオ)


 カヨの結句のみの詠唱で、魔法式が展開され、魔法の発動と同時に消えた。


「本当だ! でも、セイカみたいに一瞬にはならない……」

「貴女も鍛錬次第でできるようになるわよ」

「あともう1つずっと気になっていたのが、魔法式って何なの?」

「難しい質問ね。分かりやすく言うと、魔法の設計図、かしら? 発動する魔法によって式が変わるのよ」


 そう言って、2つの魔法式を展開させた。


「この2つはそれぞれ違う魔法よ。だから少し違うでしょう?」


 カヨはじっくりと見比べる。


「あっ、本当だ。ちょっと違う。魔法式って無詠唱でも展開されるの?」

「ええ、もちろんよ。無詠唱だと展開されている時間はもっと短くなるわ」


 さらに、護身術やナイフ術なども修行し、あっという間に3ヶ月が過ぎた。



❀❀❀




 そして、現在に至る。


「カヨ、成功も失敗も多くあったわ。でも、それらは全て貴女の努力で、経験よ。Dランクにだってなれたのだから、自信を持って」

「わたしまだまだ頑張るから! いつか絶対にセイカのことも追い越すからね」

「その意気よ。でも、私だって負けないからね」


 旅立ちのときが近づく。

 2人が出会ったのは、まだ暑くならない季節だった。

 それが、暑さは盛りを終え、少しずつ涼しくなっている。

 2人はこれからも、教え、教えられる。それと同時に、互いを高め合う。

 どこまでも。いつまでも。

魔法についてですが、もう少し先のエピソードでより詳しく説明する予定です

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