表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界をめぐる誓いー紅碧の邂逅ー  作者: Nodoka
1.ルミーノ王国編
20/23

19.氷魔法

「『冒険者閃華』が倉庫に入るために扉が開いたタイミングで、衛兵が突入します。セイカ殿、ご安心ください。必ずや我々がカヨ殿を助けますので」


 衛兵隊長のスパトイがセイカに言う。その隣にはセイカに変装した衛兵もいる。

 スパトイはセイカが後ろに隠れたことを確認すると、大きく声を張り上げた。


「冒険者閃華を連れてきた。人質の解放を求める」


「閃華を1人でドアの前に連れてこい」


 少し時間を置いてから、指示が返ってきた。


「では、行ってまいります」


 衛兵が一歩踏み出したそのときだった。


 ――倉庫が燃えた。激しく。


「……っ、すぐに消火をせよ!」


 スパトイが衛兵を指示を出す。水属性の者たちが水を生成し、消火を始める。


「消えません! 勢いは強くなっています」

「一体この炎は何なのだ……」


 この事態に彼女が動かぬわけがなかった。

 セイカは素早く倉庫の前まで走っていくと、両手を前に突きだした。彼女の前が一瞬光る。


「カヨ……」


 彼女が生み出した氷が炎を包み、凍らせ、消していく。

 そして、ものの数秒でそこには大きな氷華が咲いていた。


「カヨ!」


 勢いそのまま、倉庫の中へ走っていく。


「突入!」


 衛兵隊長の号令に、衛兵も一斉に動き出した。


「カヨ! カヨ、どこにいるの?」


「……カ! セイカ! ここだよ!」


 カヨの声だ。奥にいる。

 ドアを開くと、カヨの姿があった。


「カヨ、良かった……」


 彼女に駆け寄り、腕と柱をつないでいる縄をナイフで切ると、強く抱きしめる。


「セイカ、ごめんね」

「いいえ、貴女のせいではないわ」


 セイカは近くで倒れている男を見た。


「この男は、オルセインね。どうして彼が?」

「この人が誘拐を依頼したみたいだよ」


 はたと辺りを見回す。


「ミダスがいないわ……」

「そうだよ、セイカ。全員で4人いるの」

「オルセインとミダスの2人ではなくて?」

「うん、その2人とボスって呼ばれていた人と、ミダスって人を兄貴って呼んでいた男がいたの」

「それはクリュス兄弟の弟のモロスね。ボス、はわからないわね」


 外へ出て、スパトイの元へ向かう。


「カヨ、さっきの話をもう一度いいかしら?」


 本当のターゲットはカヨではなく、セイカだったこと。

 廃倉庫の中には、オルセインとクリュス兄弟ともう1人ボスと呼ばれる人物がいたこと。しかし、オルセイン以外の姿は現在はない。


「カヨ殿、迅速な救助ができず、申し訳ありませんでした。ここからは、我々衛兵の仕事です。情報提供ありがとうございます」

「あ、あの。さっきの炎と氷って何なのですか」

「炎は不明ですが、氷はセイカ殿の魔法です」

「ありがとう、セイカ」

「貴女が無事で何よりだわ」


 セイカはカヨの頭を優しく撫でると、本当に安心したように言った。


「セイカ、カヨ!」


 ヘルメアの声が響いた。


「会長、どうしてここに?」

「それはないだろう、セイカ。アタシもカヨのことを心配していたんだからな」

「それはわかっているわよ」


 ヘルメアは一度だけ、カヨとセイカを強く抱きしめた。


「セイカ殿、カヨ殿。また後日、話を伺うことになると思います。今日は送っていきましょう」


 スパトイに護衛をされながら、宿屋まで帰ってきた。


「本当に此度の件は申し訳ありませんでした」

「これで警備を強化してくれれば、私はいいわ」

「わたしも、同じです」

「戦乙女アルテナの加護に護られんことを」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ