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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編
92/131

91.巨大なベルベストタイガー

 彼らは数日間登り続け、ようやく中腹付近まで到着し、

 岩壁に空いた洞穴で休息を取ることにした。


「ようやく中腹ってところか…」

「吹雪で前も見えなくなってきたな。」

「思い出しましたよ。神嶺シンセレーヌの神罰に〈ベルベスト転移〉の逸話があるのを。」

「神罰?」


「知りませんか?神嶺様が使う魔術は神術とか神罰と呼ばれるんですよ。その者にみあった罰を与える魔術です。」


「ベルベスト転移ってのは、ベルベストに飛ばされるってこと?」

「ええ。しかも逸話ではベルベストの山頂にという話です。」

「死も同義だな。」


 そんな話をしながら、3人はカルマの炎魔術を駆使し、暖をとり、大量に備蓄してきた食料を囲んだ。

カミルもメラを召喚し暖をとりながら横になっていた。



 そして、翌日、雪も落ち着いている時間に洞穴を出て、山頂へ向けて歩き出した。


「くそ、また雪が強くなってきましたね。」

「うん。気をつけて進もう」


 ハウロスを先頭にカルマ、カミルの順で進んでいく。

時々、積雪が深すぎて通れない場所があるので、そこはカルマの魔術を使い道を作った。


「……!!」

 ハウロスは驚きとともに足を止める。

「どうした?」

「ベルベストタイガーの群れです。」


 雪煙の先には2m近くはありそうなベルベストタイガーが3匹歩いていた。

3人は身を屈めて様子を見る。


 すると、3匹のうち1匹が鼻をヒクヒクとさせながらこちらを見る。

その瞬間、牙を剥き出しにしたベルベストタイガーが雄叫びを上げながらこちらに向かってくる。


「下がってて!」

 カルマは二人の前に出ると手をベルベストタイガーに向ける。

 

炎獄球(ブレイズボール)!」

 炎の玉が回転し、周りの雪を溶かしながらベルベストタイガーに向かっていく。


 ベルベストタイガーはその魔術を前足で殴りつけるように消滅させる。

「まじか!」


「次は俺が…」「私が……」

 ハウロスは魔鋼の弾を、カミルは矢を

それぞれベルベストタイガーへ向けて放つ。


 だが、ベルベストタイガーの硬い皮膚にはじかれる。

「くそっなんだこいつら!」


 ベルベストタイガーの群れは既にカルマ達の目の前まで迫っている。

 

「ハウロス!防御だ!」

「はい!」


 ハウロスは魔鋼の壁を、カルマは氷の壁を展開する。

「ガフッ!ガフ」

 ベルベストタイガー達は壁に阻まれ足を止める。


 そこに壁の奥から、魔剣フレイアを振り上げながらカルマが飛び出す。

「魔剣術 (おろし) 地砕炎剣!」


 カルマの魔剣術がベルベストタイガーの一体に直撃する。

「ガアァァ!」

 その一体は雄叫びをたけながら腰を落とす。

「ギアァ!」「ガアァ!」


 ベルベストタイガー達は慌てたようにカルマ達の元から走り去っていく。

「なんだ?逃げたのか?」


「……!!?」

カルマ達は視線の先のものを見て目を丸くする。

 それは、三体のベルベストタイガーが逃げる先に巨大な洞穴があり、その洞穴から四つん這いの状態でも4m近くはあるであろう巨大なベルベストタイガーが出てきたのだ。

「あれは……何だ?」

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