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5周目の人生で異世界を救った話   ~5人目の転生者を英雄へと仕立て上げる兄と、仕組まれた運命に抗う少年~  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編

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3-7「帰路①」


__________


  数日後――。


 病院のベッドには、グラール、セオドア、リアの三人が眠っていた。


 サジとカルマは怪我こそしていたものの、傷はそこまで深くなく、入院の必要はないとのことだった。


 そんな中、リアがゆっくりと目を覚ます。


「あれ……ここは?」


「お、起きた。リア、大丈夫?」


「あれ……カルマ、どうして……」


「みんな、ガルム・プラウドのジャックに襲われたんだ。覚えてるか?」


「あ、あっ!」

 


 リアはそれを聞いた瞬間、慌てて起き上がろうとする。


「ちょ、まだ寝てないとダメだよ。」


 リアは周囲を見回し、グラールとセオドアの姿を確認する。


「サジは……?」


「大丈夫。今ちょっと出てるけど、サジも無事だよ。

 隊長とセオドアも、寝てるだけで命に別状はない。」


「よかった……。」


 リアは安堵したように息を吐き、カルマを見る。


「ありがとう、カルマ。」


「え?」


「私、途中から意識は無かったけど……わかるの。

 また、あなたが助けてくれたんでしょ?」


「いや、サジやガルムのおっさんにも助けられたし、俺だけじゃ守りきれなかったかもね。」


「ううん。それでもきっと、あなたは――」


「はっ!」


 その瞬間、グラールが目を覚まし、飛び起きる。


「隊長……?」


「大丈夫ですか?」


「ここは……どこですか?」


「見ての通り病院です。」


「みんなは……みんなは無事ですか?」


「怪我はしているけど、大丈夫だよ。」


「ジャックは?」


「ジャックはガルムのおっさんに連れて行かれたよ。」


「えぇ!? ガルム団長が来ていたのですか?」


「ああ、うん。

 ジャックが暴走するかもしれないって、この国に向かってたらしい。」


「それと、会談の件は一旦中止になったけど、後日、ガルム・プラウド本部からアリディアさんへ直接連絡が行く手筈になったよ。」


「と、いうことは……一件落着ということですか……。」


「まあ、成功か失敗かはわからないけど、任務自体は終了だね。」


「よかった……。

 本当に、君のおかげですね。」


「いえ、みんなの力だよ。」


__________

 

 それから数日。


 カルマはグラール達の回復を待った。


 ガルム・プラウドから回復術士隊が派遣されてきた為、三日ほどで全員が全快した。


 

 カルマはレルフ共和国を離れる前に、サリバンの元を訪ねた。


「爺さん、俺行くよ。」


「そうか。わしの魔術は役に立ったか?」


「うん!おかげで何とかなったよ。

 まだ全力で使うと足が壊れそうになるけど……」


「雷魔術は、一瞬一撃の力に特化した魔術が多い。

 それはつまり、電気製品と同じじゃ。

 見合った電圧でなければ、たちまちショートして壊れてしまう。」


 サリバンはカルマの足元を見ながら続ける。


「柔軟でしなやか、それでいて丈夫な体と脳を作るんじゃぞ。」


「自分に見合った電圧……。

 わかったよ、爺さん。ありがとな!」


「うむ。ではな、小僧。

 ルドラの弟子――アリディア、フィルス、ルドロスに会うことがあれば、よろしく伝えてくれ。」


「うん! わかった。」


(ルドロスって、フィルスが言ってたな……。

 確か、魔剣術士の……)


 カルマは使節団、そして戦士隊と共に、ルードミリシオンへの帰路についた。


 帰り道も、クレアワームが現れないかと一行は警戒しながら進んでいた。


 だが、クレアワームが現れる気配は一切無い。


「やっぱり……。」


「どうしたんだカルマ?」


「いや、行きにクレアワームが出たの、やっぱりおかしいと思うんだよ。普段は昼間には出ないんでしょ?」


「まあ、魔獣だからな。

 必ず夜しか出ないってわけでもないだろ。」


「うーん……なんか引っかかるんだよな……。」


「まさか、ジャックが召喚したとでも言うのか?

 クレアワームは天級魔獣だぞ。さすがにそれはないだろ。」


「ありえなくはないでしょ?」


「いや、ありえない話だ。

 天級魔獣と契約した召喚士なんて、五百年前に存在したとされる伝説の召喚士くらいだ。」


「あー、召喚士アリアだっけ。」


「そうよ!

 召喚士の始祖アリア様は、世界中の魔獣と友達になった凄い魔術士なんだから!」


 リアが少し興奮気味に語る。


 だが、サジは呆れたように肩を竦めた。


「まあ、御伽話みたいなもんだろ。」


「御伽話じゃないわよ! 実在したはずよ!

 カルマもそう思うでしょ?」


「うん。本当にいたと思うよ。」


「ほらね。」


 カルマは空を見上げながら、ランドロスの言葉を思い出していた。


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