↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5周目の人生で異世界を救った話   ~5人目の転生者を英雄へと仕立て上げる兄と、仕組まれた運命に抗う少年~  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/201

3-2「模擬戦闘試験④」


⸻

 

「次、カルマとラディール、前へ!」


「じゃ、ちょっと行ってくるわ。」


 カルマは名前を呼ばれると、クレイン達へ軽く手を振って場内へ向かう。


「俺が言うのも変かもしれないが……がんばれよ!」


「……おう!」


 カルマはラディールと向かい合う。


「お前の仲間達は運良く勝てたようだが、天級戦士の俺には通用しないぞ?」


「……運? あの戦いを見て、運が全てだって言うつもり? まぁいいよ。悪いけど、この場は俺が勝たせてもらう。」


「お前が、この俺に勝てるわけがないだろうが……!」


「あのさ、一つ気になってることがあるんだけど、聞いていいか?」


「なんだよ……」


「お前はこのヘリオサマナで四人目の天級なんだろ? 他の三人は団長と副団長。つまり、お前は団長と副団長を除く団員の中で一番強いってことだよな。」


「それがどうした。」


「なら、何をそんなに恐れているんだ?」


「……何を言ってる?」


「ヘリオサマナの中でも馴れ合わず、強さと功績ばっか追ってるって聞いた。それに天級のお前がわざわざ戦士でもないガキの試合相手に名乗り出るなんて変でしょ?」


 カルマは真っ直ぐラディールを見る。


「俺には、お前が何かに焦ってるように見えた。」


「勘違いも甚だしいな!」


 ラディールが手を掲げる。


「上級魔術 

 火炎旋風(トルネードフレア)」


 巨大な炎の渦が巻き起こり、カルマへ襲いかかる。


「いきなり大技か……」


 カルマは両手を前へ突き出した。


「中級魔術 

 多連水矢(シームスアローズ)」


 無数の水の矢が高速で放たれる。


「あいつ……中級魔術を両手で同時に……」

 

「両手撃ちなんて見たことないぞ……」


 観客席がざわつく。


「ふっふ。面白い成長をしておるの。」


 アリディアは口元に笑みを浮かべていた。


 カルマの水魔術は、次々と炎の渦へ突き刺さり蒸発していく。


「はっ!そんなものでは打ち破れないぞ!」


「打ち破る必要なんてないさ。」


 カルマは地面を蹴る。


 剣に氷を灯し、そのまま炎の渦へ飛び込んだ。


「何をするかと思えば、自ら燃えかすになろうとはな!」


 巨大な炎の中へ消えたカルマ。


 だが、しばらく待っても姿は現れない。


「はは、終わりだな――」


 次の瞬間。


 炎の渦を突き破り、カルマが飛び出した。


「あっちぃ!」


「なっ!? 上級魔術だぞ!?」


「水魔術で一瞬でも勢いを弱められれば、俺の剣なら抜けられる。」


 カルマは剣を突き出す。


「魔剣術

 氷(こおり)

 突ノ型(つきのかた)

 氷柱穿天(つららせんてん)」


 剣先から巨大な氷柱が唸りを上げて放たれる。


「舐めるなぁ!」


 ラディールが即座に魔術を展開した。


「上級魔術 

 大落雷(サンダーボルト)」


 雷がカルマの頭上へ落ちる。


 カルマは魔剣術を解除し、間一髪で後方へ飛び退いた。


「なるほど。これだけ上級魔術を連発されると、避けるだけでも苦労するね。」


「当然だ。お前ごときには止められない。」


「いや。“その程度”なら、俺は届く。」


 カルマの剣へ炎が灯る。


「なんだと……!」


 ラディールの顔に怒りが浮かぶ。


「魔剣フレイア!」


 カルマが一気に駆け出す。


「広範囲獄炎(インフェルノ)!」


 ラディールを中心に、広範囲へ炎が噴き上がる。


 カルマの足元からも火柱が吹き出した。


(もっと速く――)


 カルマはフィルスの動きを思い出し、足へ魔力を集中させる。


 踏み込んだ瞬間、身体が消えたように方向転換した。


「なっ……!?」


「ボス……今の動き……」

「なんだあれ……」


 観客席のハウロス達も目を見開く。


(もっとだ……もっと速く!)


 カルマは炎を避けながら、凄まじい速度でラディールへ迫る。

 それはまるで師匠であるフィルスの応徳魔術 神速のようであった。


「くそっ!」


 ラディールは広範囲魔術を乱発する。


 だが、カルマの速度を捉えきれない。


 気づけば、カルマは背後へ回り込んでいた。


「魔剣術

 炎(ほのお)

 抜ノ型(ぬきのかた)

 炎閃斬(えんせんざん)」


「っ――!

 絶対零度(アブソリュートゼロ)!!」


 ラディールが咄嗟に放った魔術が、周囲一帯を瞬時に凍結させる。


 ラディール自身の半身すら凍りつき、カルマの剣も腕へ触れたところで停止した。


 だが――


 カルマの剣が再び燃え上がる。


 周囲の氷が溶け始めた。


「こんな魔術じゃ、俺の魔剣は止められない。」


「ちぃ!

 中級魔術 

 氷柱の槍(アイシクルランス)!」


 ラディールがもう片方の手で氷槍を放つ。


 カルマは一歩下がり、その槍を炎の剣で両断する。


「基礎魔術だけじゃ、俺には勝てない。」


「なんだと……?」


「お前も応徳魔術の使い手なんだろ?」


「……!!」


 ラディールの目が揺れる。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。