49.2人目の従者
「ほいっ、終了。」
カルマはカミルに手をかざし、カミルの氷を溶かす。
「ふっ、私の負けだな。何だ今の技は」
「魔剣フリージア 構 滴水成氷は僕を中心に強い冷気の力を放つ技だよ。
僕の近くにくれば来るほど物体は瞬時に凍りつく。」
「それで矢も私も、お前に近づいた途端に凍りついたのか……」
「では…約束通り君の従者になってやろう。」
「いや、だから従者はいらないって…」
「それでだ、私も君の旅についていこう。」
「……はい?」
「従者なのだから主に付いていくのは当然だろ?
それに君は戦士になるんだろ?それなら私の目的とも合致している。
「どういうこと?」
「カミルは兄のギルを追って戦士になることを目指していたんですよ。」
長老がカルマに伝える。
「そういうことだ。それに君についていけば私が暴走する危険性も少ないだろう?」
「まあ、それは確かに…そうだけど..」
「では、改めて、カミルだ。ゲド族にミドルネームはない。歳は13だ。よろしく頼む。」
「13歳じゃ戦士になれないじゃん」
「君もそう変わらないだろう?」
「12だけど……」
「何はともあれ従者が増えて良かったですねボス!」
「よくないよ……」
こうしてカルマの一行に弓使いのカミルが加わり、ゲド族の集落を発つことになった。
長老やゲド族の皆は別れを惜しんでくれ、多くの人たちが見送りに来てくれた。
カミルはミドに別れを告げていた。
「長老、お世話になりました。」
「いやこちらこそです。カミルのやつが迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします。」
「迷惑などかけんよ」
「カミル、本当にすまなかったな。」
「私の未熟さのせいだと言っただろう。」
「何かあればいつでも帰ってきていいのだぞ。ここはお前の故郷なんだから。」
カミルは長老の言葉に照れくさそうに笑い飛ばした。
カルマは長老が自分が旅立つ時のティリエの姿に重なって見えた。
「じゃあ行ってきます。色々ありがとう。」
「どうかご無事で。道中お気をつけください。」
3人はミルズ王国へ向かうためラダの森へ入って行った。




