45.カルマvsカミル
カルマは陽が落ちてから帰ってきた。
帰ってきたらと思えばすぐに借りてきた魔導書を熱心に読み続けていた。
「ボス、まだ寝ないんですか?」
「ああ、ごめんもうちょっと…先に寝てて」
次の日、ハウロスが目を覚ますと、何やら外が騒がしい。ふと横を見るとカルマの姿はない。
ハウロスは急いで外に出る。
外に出ると人だかりができている。
なんだと思いながら寄ってみると、カルマと今にも飛びかかりそうなカミルが向かい合っていた。
「長老!これは……」
「カルマ殿が朝早く来られて、カミルを出してほしいと仰られて……」
「なぜそんな…」
「それが、カミルの悪魔を祓うことができると」
「え?」
「ハウロス殿、カルマ殿はどのように?」
「いや、俺もわかりません。」
(ボス、悪魔祓いなんて…どうやって)
カルマはカミルに向かって剣を持たず、素手で構える。
カミルは自我を失っているようで白目を剥きながら唸っている。
カミルはカルマに向かって飛びかかり、拳を振る。
カルマはカミルの攻撃を回避するため、上空へ飛び上がる。
カミルが振り下ろした拳はカルマがいた場所の地面に直撃し、地面を大きく陥没させる。
「すごい威力だな。」
カルマは上空からカミルに向かって手を向ける。
「火炎玉」
二発の炎の玉をカミルに向かって放つ。
「うがぁぁ!」
カミルはその炎の玉を拳をで強引にはじき飛ばし、カルマに向かって飛びかかる。
「炎の鞭」
カルマは紐状の炎で迫り来るカミルをうまく押さえ付け、そのまま着地する。
カルマは空いている左手を地面にかざす。
「範囲氷結」
カミルの足元が凍りつき身動きを封じる。
「氷の鞭」
さらにカミルの体に絡みつき動きを封じた炎の鞭が凍りついた。
「よし、これで……」
カルマは完全に動きを封じられたカミルにゆっくりと近づく。
カミルは氷に体の自由を奪われながらも唸り声を上げながら暴れている。
カルマはミドから借りた魔導書を取り出すと、剣を引き抜き、カミルの足元の地面をなにやら削り始める。
「ボス!なにを!」
「まぁみてて」
カルマはハウロスに笑いかける。




