2-4「作戦会議②」
⸻
部屋へ戻ると、カルマたちはバランに作戦の概要を伝えた。
バランは一瞬言葉を失い、それからゆっくりと頷く。
「バラン、大丈夫だ。俺たちに任せろ。」
「ボス、俺たちの初任務ですね。」
「任務?」
「子供のために一国家へ反乱するなんて……俺たちが戦士だからやるんですよね?」
その言葉に、カルマははっとする。
まだ幼い少年の為に戦う。
前の人生では、そんな大それたことを考えたこともなかった。
ただ流されて、生きて、迷惑ばかりかけて――。
だからこそ。
今度は違う。
見返りがなくてもいい。
誰かのために、自分の意志で動く。
それが戦士なら。
「……ここからだな。」
「え?」
「ここからやりなおすんだ。俺の人生。」
小さく息を吐く。
「人生、リスタートだ。」
「リスタ……ってどういう意味ですか?」
「あー……再始動とか、もう一回始めるってこと。」
「いいですね、それ!」
「え?」
「戦士団の名前ですよ!」
「それがどうしたの……?」
「カルマリスタ、なんてどうですか?」
「えぇぇ……俺まだ戦士にも慣れてないんだけど。」
「非公認でいいじゃないですか。それに、団長の名前を入れるのはよくある話です。」
「カルマリスタ。悪くないと思うぞ、カルマ。」
「んー……まあ、名前で何かが変わるわけじゃないけど……」
「じゃあ決まりですね!カルマリスタの初任務、必ず成功させましょう!」
ハウロスは拳を握りしめる。
小さな戦士団。
けれど、確かに動き始めた。
⸻
それから数日間、各自は準備に時間を使った。
カルマとハウロスは王宮周辺の偵察と魔術の調整。
侵入経路の再確認、魔力消費の試算。
カミルは街を歩き回り、時折火の魔獣を召喚して散歩させていた。
その魔獣には「メラ」という名が付けられた。
どうやらすっかり気に入ったらしい。
少なくとも、しばらくは魔力暴走の心配はなさそうだった。
_______
作戦決行の前日――
カルマはフードを深く被り、顔を隠して街へ出た。
人通りの少ない路地を抜け、人気のない空き地へ出ると、すでにアマンダが立っていた。
「カルマ殿、どうしたのです?」
カルマに呼び出されたアマンダはその理由をカルマに尋ねる。
「明日の作戦なんだけど……」
カルマは周囲を確認してから、声を落とす。
「ひとつ、追加で頼みたいことがある。」
そして――
アマンダに“ある作戦”を伝えた。
彼女の目が、わずかに見開かれる。
「……本気ですか?」
「うん。これが一番、確実だと思う。」
短い沈黙のあと、アマンダは静かに頷いた。
「……承知しました。」




