22.フィルスの昔話②
私が奴の弟子となったのは、幹部の一柱を倒した後くらいだったかな。」
「へー!」
カルマはもっと聞かせてほしいと言わんばかりにフィルスを見つめる。
「私は2番目の弟子だった。私が弟子になった時にはアリディアという魔術師の娘がいた。」
「え!?アリディアさん?」
「知っているのか?」
「前にこの目のことで騒ぎになった時に助けてもらって…」
「そうか、偶然だな。」
まぁいい。あいつの話をしてもつまらん。」
「仲悪いの?」
「あいつはいつも私の性格面のダメ出しばかりしてきたからな。」
「喧嘩ばかりしていたんでしょ。」
「いや、奴は喧嘩を売っても、すかしてばかりで乗ってこないからあまり喧嘩にはならなかったな。
「ふふ、仲良いんだね。」
「ただの同僚だ。」
「あと1人弟子がいるんだっけ?」
「そうだルドラには私を含め3人の弟子がいた。
3番目はルドロスという魔術剣士だ。」
「その人は今どうしてるの?」
「……」
フィルスにそう聞くと、怒ったような顔をし拳を握りしめるフィルス。
カルマはまずいことを聞いたのかと不安になる。
「まぁ、奴のことはいずれ話すことになる。」
「それでルドラはどうなったの?」
「……私やアリディアはその後ルドラの元を離れ、戦士として任務を行っていた。ルドロスも妻を娶りルドラの元を離れて生活していた。
そして12年前、ルドラが魔人の襲撃を受ける。
ルドラは1人のところを狙われ、緋衣の十魔が2人、そのうち1人は十魔の中で上位の三大魔人 天魔ヴォレアに襲われた。
ルドラは緋衣の十魔の1人は倒したが、三大魔人、天魔ヴォレアに殺された。
私は間に合わなかった、到着した頃には既に…」
フィルスは怒りを抑えるように言った。
「フィルスは緋眼の魔人と戦うの?」
「ふっ、まぁ私は師を殺されたことの復讐をしようと思う程、できた弟子ではない。
だが、私が現役の間に相対することがあれば、倒してやるつもりだ。」
「なら、僕も戦うよ。兄さんに言われたんだ。
僕はきっと緋眼の魔人と戦う運命にあるんだって、
兄さんもフィルスも戦うなら一緒に戦う。」
「ふっ、小僧のくせによく言う。ならもっと強くならなければ役に立てんぞ?」
その時だった。外から大きな爆発音と地響きが聞こえる。